酸化

ブショネに対し『酸化』とは、ワインから果実味などの新鮮な風味が失われた状態のことをいいます。

コルクの緩みなどで隙間からボトル内に酸素が入り込んだり、ワインの保管状態における問題が主です。
30度以上の高温では、ワイン中の物質が化学変化を起こしやすくなり、瓶中で酸化が進みます。
ワイナリーから出荷されたワインが輸送中や保存中に頻繁な温度変化を受けたり、継続的に高温になった場合に起こります。

ワインブームが始まった1980年代~90年代のワイン管理は、現在と比べるとだいぶずさんだったようです。
炎天下にワインが置かれていることも珍しくなかったそうです。

ブショネ(コルクによる劣化)

ブショネとはコルク臭、ブション(コルク)に起因する品質劣化です。

コルクは自然からできたものなので、そこには目に見えない菌が存在しており、その中に悪性の菌が存在していた場合、ボトル内である種の化学変化が起こりワインの質を変えてしまうといわれています。
フランスワインの全生産量の5~8%、また全世界のワイン生産量の3~7%がブショネであるといわれています。

しかしワインをよく知る人によれば、ブショネの程度も「明らかにブショネ臭がする重度」のものから、「かすかに香る程度の微妙なもの」まであるので、全部を含めると皆さんの予想を大幅に上回る数になるといいます。
これは理想的な環境でワインを保存していても発生してしまうものなので、ある意味で不可抗力といえます。

現在では、チリやカリフォルニアやオーストラリアなど新世界を中心にプラスチック製コルク、スクリュー・キャップ、王冠キャップなどを使用するワイナリーが増えており、それにともないブショネの問題は減少しつつあります。

ワイン劣化の原因

ワインは『変化』を嫌う飲み物。
その保存環境により劣化してしまうという特質をもっています。
ワインの種類により、劣化のしにくいものやしやすいものの違いはありますが、過酷な環境では傷んでしまう『ナマモノ』なのです。
ワインが劣化してしまう要因の代表的なものは次の5つです。

・ブショネ(コルクによる劣化)
・高温(または低温)
・乾燥
・長期間に渡る恒常的な振動
・光

いずれもがワインの劣化につながりますが、精密機器などではないので、突然壊れるということはありません。
徐々に劣化・変質していきます。

一度開けたワインの味が変わる理由

ワインは栓を開けた瞬間、つまり空気に触れた瞬間からワインの酸化が始まり、それに伴い、少しずつ味が変わっていく。逆にいえば、一度開けたワインを長持ちさせるには、ワインを空気(酸素)とできるだけ触れ合わせないようにして、酸化を遅らせることが大事になる。開けてから最初の数十分~数時間、ワインによっては1日程度の酸化は、ワインの固さが取れ、開けた直後に比べて飲みやすくより美味しくなることもある。しかし酸化が進むにつれて、ワインからは果実味が失われ、平板で酸化という名前の通り、酸味ばかりが目立つバランスの悪い味わいになっていく。これが「ワインはその日のうちに飲んでしまった方が良い」といわれる大きな要因です。