赤ワインの味の決め手のひとつに、ブドウ品種があります。赤ワインを選ぶときに、覚えておきたい黒ブドウのおもな品種は14種くらい。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールなど赤ワインのブドウ品種を語るときには、「重い」「しっかりした」「濃い」といった表現をします。
赤ワイン造りの特徴は、特有の赤い色(アントシアニン)や渋み(タンニン)を含んだブドウの果皮や種を漬けこんで造ること。こうして果皮に含まれる香気成分を抽出することをマセラシオンといいます。
工程としては、選果した黒ブドウから果皮や種を残したまま果汁を出し、それを発酵タンクに入れてアルコール発酵。発酵中の果汁に浮く果皮を櫂で沈めたり、ポンプでタンク内のワインを循環させたりするなどしてマセラシオンを行います。
マセラシオンの期間は5日から2週間ほど。こうしてマセラシオンが終わったら、乳酸菌の働きによりワインのなかのリンゴ酸を乳酸に変えるマロラクティック発酵という工程を経て、発酵終了後にタンクや樽で熟成します。
こうしてできた赤ワインの味を語るとき、白ワインに比べて「重い」「しっかりした」「濃い」と表現されることが多いのです。また、世界の赤ワインは辛口がほとんど。でも、ドイツやイタリアなどには、ベリー系の味わいの甘口の赤ワインも少数ではありますが、存在しています。