ワインの甘口と辛口

ワインにおける辛口は、甘味の少ないスッキリとした味わいです。ワインの辛口とは、本当に辛いのではなく、基本的に「甘くないもの」を辛口と表現しています。例えば、普通の水と砂糖水を比べてみて、普通の水を飲んで辛いと思わなくても、甘い砂糖水に比べると甘くないので、普通の水は辛いと表現するようなイメージです。甘口は、甘味をまろやかに感じる程度の控えめなものから、はっきりと甘味を感じる極甘口まであります。

ところで、ワインは何をもって甘口と辛口に分けられるのでしょうか? 先述したとおり、辛口といってももちろん香辛料が加えられているわけではありません。それどころか、まったく同じブドウ品種を原料にして甘口から辛口まで造ることができます。では、どこが甘口、辛口の決め手となるのでしょう。

ワインは、ブドウの果皮などに含まれる酵母菌が果実の糖分を食べることでアルコール発酵が起き、お酒となります。その酵母菌が糖分を食べ切ってしまえば甘味のない辛口ワインとなります。

また、途中で酵母菌の働きを抑えて糖分を残せば甘味のある甘口ワインとなります。つまり、甘口か辛口かどうかは、おもにワイン中の糖分の残量で決まります。醸造技術が発達している現代では、酵母の働きを熱で抑えたり、遠心分離で取り除いたりすることができるため、甘辛度をある程度調整することができるのです。