フランスには「アペロ」という習慣があるのをご存知ですか?
夕方過ぎになると、よく仕事帰りのパリジャンたちが、ワインボトルを持って歩いている姿を見かけることがあります。彼らは、友人や恋人たちと「アペロ」の待ち合わせに向かっているのです。
アペロとは「Apéritif(アペリティフ)」という言葉の略で、日本語では「食前の一杯」といったところ。夕食前にお酒を一杯飲みながら、オリーブやスナックなどのおつまみを食べ、気心知れた仲間同士で楽しくおしゃべりをするのです。
集まる場所は、お店や自宅など様々ですが、だんだんと暖かい季節になってくると、夜遅くまで照る太陽の光を浴びながら、セーヌ川の川辺でアペロを楽しむ人が増えてきます。
みなワインを楽しむ傍らで、ある若者はギターを弾き、カップルは人目をはばからずキスに夢中になり、ご老人はただパリの景色を眺め、思い思いの夕方を過ごしています。
アペロは、フランス人の生活に欠かせない、ワインの楽しみ方の定番のひとつなのです。