ワイン用語 クラレット

クラレット(Claret)とは、主にイギリスにおけるボルドーワインを指す通称です。
同じ意味として、クレレ(Clairet)とも呼ばれます。

クラレット/クレレとは「薄い赤色」を意味するフランス語です。
ボルドーのワインと言うと、どちらかというと濃いワインをイメージしますが、なぜ「薄い赤色」という言葉が、ボルドーワインの通称になったのでしょうか?これには長い長い歴史があります。

ボルドーは昔、イギリス領だった

ボルドー地方は、12世紀まで今と同じくフランスの領土でした。しかしこの地の王妃エレオノールがイギリスのヘンリー2世に嫁ぐことになり、その持参金としてこの土地をイギリスに差し出しました。
そのため、以後1154年~1453年という長い間、ボルドーはイギリス領となったのです。そのため、ボルドーのワインはイギリスに運ばれることになります。
そして、この時期のボルドーのワインはとても淡い色をしていたため「クラレット」という通称が生まれたのです。

その後、ボルドーのワインはとても濃い色をするようになりましたが、歴史は根強く現在でもイギリスでクラレットと言えば、ボルドーのワインを指すのだと通用するようです。