メドックの1855年格付けでは、グラーヴ地区から唯一シャトー・オーブリオンだけが例外的に選ばれています。
グラーヴの格付けは、第二次大戦後、地区のワイン生産協同組合が働きかけ、公的機関であるl’INAO(L’Institut National des Appellations d’Origine)に要請・協議の上決定されます。
INAOはクルティエ委員会に委託し、同委員会は格付けのベースとして「長期にわたる市場でのワインの価格」を考慮したと言いますから、メドック格付けと同手法のようです。1953年に赤ワインを対象として行われ、同年農務省により13シャトーが格付けされました。
1959年には白ワインを対象として選定が行われ、8シャトーが選定されフランス政府によって正式に認証されます。
白ワインで格付けを得たシャトー・クーアンは1968年に国立農業研究所が買収し、後に畑の一部がリュルトンによって買収され、シャトー・クーアン・リュルトンが誕生します。
グラーヴ格付は最終改訂が2003年とも言われているようですので、正式にシャトー・クーアン・リュルトンが白ワインのリストに加わり、赤7シャトー、白3シャトー、赤白6シャトーとなったものと思われます。
グラーブ地区のうち、北部の地域がペサック・レオニャン(Pessac Leognan)として1987年にAOCが認められ、格付けに選定されたシャトーが全てAOCペサック・レオニャンにあることからペサック・レオニャンの格付けとも呼ばれるようになります。
格付けには等級が定められていない1ランクなのですが”Grand Cru Classe de Graves”又は”Cru Classe de Graves”とも呼ばれているようです。