ワイン用語 フォーティファイドワイン

フォーティファイドワインとは?

フォーティファイドワインとは、「fortify=強化」という言葉の通り、アルコール度数の強いお酒を添加することでアルコール度数を高めた「酒精強化ワイン」です。

醸造行程中に、アルコール度数が40℃~80℃のブランデーや醸造アルコールなどを添加して、アルコール度数を高めて作られます。

最終的に、フォーティファイドワインのアルコール度数は、15度~22度ほどまで上昇します。

酒精強化をする理由:保存性を高める

酒精強化をする理由は大きく2つあり、1つは保存性を高めるという目的です。

大航海時代などでは、長い船旅においては通常のスティルワインではすぐに劣化をしてしまいます。
そこで、アルコールを添加することでワイン自体の保存性を高めることで、船旅に耐えうるお酒としたのです。

その後は、船旅で赤道を通過する際に高熱で強烈な酸化熟成をしたワインが、かえって独特な風味になって人気になるなど、味自体が目的となって発展をしてきました。

酒精強化をする理由:味わいを作る

もう1つの理由は、フランスのVDNやVDLのように、甘口ワインを造るためや、味わいにコクを与えるなど、味自体を形成するためです。

ワインは、アルコール発酵によって酵母が糖分をアルコールに変化させることで生まれます。
そのため、ワインは基本的に糖分が全て消滅しているため、基本的には辛口となります。

酵母はアルコール度数が15度以上では死んでしまうという特性があります。
そこで、アルコール発酵の過程で意図的にアルコールを添加して度数を15度以上にしてしまうと、糖分が残った状態でアルコール発酵が止まります。

これにより甘みが残ったワインが生まれるというものです。

世界のフォーティファイドワイン

このように、フォーティファイドワインはヨーロッパでも広く普及した醸造方法であり、それぞれの国々で代表的なフォーティファイドワインがあります。

代表的なものを以下にまとめています。

・シェリー(スペイン)
・ポートワイン(ポルトガル)
・マデイラ(ポルトガル)
・マルサラ(イタリア)
・ヴァン・ドゥー・ナチュレル(フランス)
・ヴァン・ド・リキュール(フランス)

フォーティファイドワインは、女性よりも男性に好まれるケースが多いですが、個性のある面白いお酒も多くぜひチャレンジして頂きたいワインの1つです。