「生ハム」と「プロシュート」の違い

燻製したものが「生ハム」

生ハムは肉を長い時間かけて塩漬けし、乾燥、醗酵、燻製をしたもののことを指します。世界的にも燻製するものが大多数で加熱するものは少ないんです。ちなみに、日本で流通している生ハムの多くはドイツ系です。これらのもので加熱して加工する商品は基本的にはありません。

生ハムの誕生は紀元前3500年

紀元前7000年ごろには、すでに豚は家畜として飼われていました。狩猟から農耕文化に移行し、人々は家畜を多く飼うようになり、保存食として編み出されたのが「生ハム」なんですね。紀元前3500年ごろには現在のイラク周辺やエジプトで食べられていたといいます。さらに、中国にはもっと前からあったとも言われています。日本での歴史は浅く、幕末にオランダから長崎に伝来したものの、作り方が伝わったのは1917年以降。一般に普及したのは、第二次世界大戦後(1945年~)と言われています。

燻製しない生ハムが「プロシュート」

日本では、燻製してないイタリア産生ハムを、プロシュートと呼ぶのが一般的です。イタリアでは、加熱しないもの(生ハム)は「プロシュット・クルード(Prosciutto crudo)」、加熱処理したものは「プロシュット・コット(prosciutto cotto)」と呼んでいるんだとか。種類の異なるハムの盛り合わせを「プロシュット・ミスト(prosciutto misto)」と言います。イタリアでは前菜として食べられることが多いそう。