動脈硬化の軽減効果を2型糖尿病患者でも確認

赤ワインに含まれるレスベラトロールには、2型糖尿病患者の動脈硬化を軽減する効果があることも明らかになった。これは米国腎臓病学会(AHA)のサイエンス セッションで発表された研究だ。
「レスベラトロールは、2型糖尿病の患者さんにおいても、大動脈の構造変化を促し、血管の弛緩を減少させ動脈硬化を改善することが分かりました。これは、特に2型糖尿病や肥満の人に加齢とともに起こる血管異常を治す方法があるという研究成果を裏付けるものです」とボストン医科大学院の血管生物学部のナオミ ハンブルク氏は語る。
今回の研究では、ボストン大学の研究者グループはまず、研究開始時に動脈硬化が認められた2型糖尿病患者57人の大動脈の硬化度を測定した。次に毎日100mgのレスベラトロールを2週間摂取してもらった。その後、300mgのレスベラトロールを2週間摂取してもらい、最後にプラセボ(偽薬)を4週間飲んでもらうという研究を実施した。
その結果、硬化度の高かった人は、300mgのレスベラトロールを摂取すると、動脈硬化が9.1%改善した。100mgの場合では4.8%改善し、プラシーボの場合では逆に増加したという。また、研究開始時に大動脈が硬化していなかった人には、こうした効果はみられなかった。