過度の飲酒は、脳卒中に加えて、2型糖尿病のリスクも高める。高血圧と高血糖が重なると、相乗的に脳卒中の危険性が高まる。
日本で実施された大規模研究「JPHC Study」では、やせた男性では、飲酒による2型糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。特にやせている男性は、もともとインスリンの分泌能力が低いので、飲酒によるデメリットの影響があらわれやすいという。
BMI(体格指数)が22以下の男性は、飲酒量が増えるにつれて糖尿病リスクが上昇し、お酒を飲まないグループにくらべ、エタノール摂取が1日当り23.1~46.0g(日本酒換算で1~2合)のグループで1.9倍、46.1g以上摂取するグループでは2.9倍まで高くなった。
膵臓から分泌されるインスリンは、ブドウ糖などの細胞への取り込みをコントロールしている。インスリンが十分に働かなかったり不足したりすると、高血糖が生じる。アルコールは、適量を摂取するとインスリンへの反応(感受性)が改善するが、過度の飲酒を長期間続けるとインスリンの分泌量が低下することも報告されている。
アルコールは「百薬の長」と言われるが、飲み過ぎが健康によくないことは明らかだ。飲むときは自分の飲む量を確かめながら、飲み過ぎに注意しながら楽しく飲みたい。