赤ワインエキス末を1日当たり400mg(レスベラトロールとして20mg)摂取し続けたグループで血管の柔らかさの指標であるFMD値が正常値まで上昇し、12週間の赤ワインエキス末の摂取で血管の柔らかさが改善した。
血流依存性血管拡張反応(FMD)検査は、カフで腕を締めた後の血流増大によるずり応力により、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が血管内皮からどれだけ放出されたかを診る検査。管内皮機能が低下しているとNOの産生が少なくなり、FMD値は低下する。
試験ではレスベラトロールを含有する赤ワインエキス末を用いて1日当たり20mgの低用量レスベラトロール(被験食品群)と160mgのオリゴメリックプロアントシアニジン(プラセボ群)を健常人に12週間摂取させ、検査まで12時間以上のウォッシュアウトタイムを設け、血管柔軟性および脂質代謝に対する持続的な効果を評価した。
その結果、被験食品群とプラセボ群との間でFMD値の有意差(P=0.043)が認められ、血圧の降下傾向が示された。その被験食品群のFMD値は、5.1±2.3%から6.8±2.1%と、摂取前のFMD平均値は約30%増加し、正常値目安の6.0%を超える平均6.8%へ改善した。赤ワインエキス末による血管柔軟性の持続的な改善効果ならびに血圧の改善傾向が示された。脂質代謝に関しては、被験食品群においてわずかな皮下脂肪の増加抑制の傾向が認められた。