「脳内出血」が1.6倍、「くも膜下出血」が1.8倍に増加

重度の飲酒者では、「脳内出血」のリスクが1.6倍に、「クモ膜下出血」のリスクが1.8倍に、それぞれ上昇した。どちらも出血性脳卒中で、脳内出血は脳の中にある小さな血管からの出血で、くも膜下出血は脳の表面を覆うくも膜の下の出血だ。
「大量飲酒とこれら2種類の脳卒中との関連性は、虚血性脳卒中との関連性よりも強いことが分かりました。一般的に、適度な飲酒は虚血性脳卒中のリスクを下げると言われていますが、適量を超えると脳卒中のリスクは明らかに上昇します」と、ラルソン氏は言う。
これまでの研究で、適度な飲酒は、血栓形成を促すタンパク質である「フィブリノーゲン」の値を低くすることが分かっている。フィブリノーゲンが低いと血液が固まりにくくなる。また、適度な飲酒は、血圧を一時的に下げることがある。
しかし、過度の飲酒が続くと血圧は上昇し、脳出血のリスクが高まる。多くの研究で、日々の飲酒量が多いほど血圧の平均値が上昇することが示されている。
適度なアルコールの摂取量の目安は2ドリンクまでで、純アルコール量で約20g程度が限度だという。これをアルコール飲料に換算すると、ビールは中びん1本(500mL)、日本酒は1合(180mL)、焼酎0.6合(約110mL)、ウイスキーはダブル1杯(60mL)、ワイン1/4本(約180mL)、缶チューハイ1.5缶(約520mL)に相当する。