2012年の調査によると、世界で肝臓がんが原因で死亡した人は74万6,000人に上る。部位別にみると、肝臓がんは2番目に多い。
WCRFは報告書の策定にあたり、世界の肝臓がんに関する34件の研究を解析した。対象となったのは、2万4,600人の肝臓がん患者を含む815万3,000人の男女。
それによると、1日3ドリンク以上の飲酒をすると、肝臓がんを発症するリスクは上昇する。また、アルコールの摂取量が10g増えるごとに、肝臓がんのリスクは4%ずつ上昇していく。
飲酒量をアルコールに換算して分かりやすく表示する方法が多くの国で行われている。その基準となるのが「ドリンク」で、1ドリンクはアルコール換算で10gになる。
アルコールによる肝臓がんのリスクを減らすために、安全な飲酒量を、1日に男性は2ドリンクまで、女性は1ドリンクまでと定めている。それ以上飲むと、肝臓がんのリスクは上昇する。
2~3ドリンクの飲酒量は、アルコール度数5%のビールや発泡酒であれば500mL(中ビン・ロング缶1本)、12%のワインなら200mL(ワイングラス2杯)、15%の日本酒なら180mL(1合)に相当する。
一般に女性は男性に比べてアルコール分解能力が低いので、女性の飲酒量は男性の2分の1から3分の2程度を推奨している。