「天地人」という考え方
ワインは、空と大地と人によって形成されている。
この考え方を示す言葉が「天地人」です。
ブルゴーニュの日本人醸造家、仲田晃司さんが作るワイン「ル・デュモン」のラベルの背景に天地人と刻まれたことや、人気漫画「神の雫」で何度も用いられたことから有名になりました。
ワインは、天候と土壌と育てる人によってその品質は大きく左右されます。
そのどれかが欠けても、高品質なワインは生まれない、という概念を表しているのです。
「天地人」のそれぞれの意味
天候は、即ちヴィンテージを示します。
どんなに優れた土壌と優れた人に育てられようと、酷暑や冷夏、多雨の環境で育ったブドウでは、そのポテンシャルに限界があります。
大地は、即ちテロワール(畑)を示します。
ブドウは育った大地によってその特徴を味わいに現します。粘土質、水はけの良し悪し、大昔海であったかなど、土地の個性がワインを通して感じることができます。
また、一流シャトーに挟まれる畑が必ずしも美味しいワインで無いように、畑の管理によってもワインの味わいは大きく左右されます。
人は、即ちワインの造り手を示します。
どんなに天候や大地が素晴らしくとも、造り手の技術が足りなければ、それは素晴らしいワインにはなりません。
また、天候や大地に恵まれなくとも、造り手のワインを造る技術が素晴らしければ、素晴らしいワインにすることができます。
このように、ワインの美味しさを支える3つの理念が、この「天地人」なのです。
この天と地と人を感じながらワインを味わうのも、ワインの魅力のひとつです。