ワイン用語 ブルゴーニュのAOC

ブルゴーニュのワインの特徴

ブルゴーニュは、ボルドーと並んで世界で最も有名なワイン産地といえます。
フランスの北東部に位置しており、ボルドーと共に4世紀には銘醸地としてすでに名声を獲得していました。

ブルゴーニュのワインは、一つの品種100%からワインを造るスタイルが特徴で、ブレンドが主流のボルドーとは大きく異なっています。
赤ワインにはピノ・ノワール、白ワインにはシャルドネが使われ、この2つ以外の品種が使われることは極めて珍しいスタイルです。

ブルゴーニュ全土に渡り優れたワインを生み出す

ブルゴーニュ地方自体が南北に長く広がる産地であるため、地域によっての特性も大きく異なり、フランスで最も多い100のA.O.C.が存在しています。
また、ブルゴーニュのほぼ全てのワインがA.O.C.ワインであることからも、全土に渡り優れたワイン産地であることが分かります。

ブルゴーニュのワイン総生産量のうち、約5割弱が海外への輸出となっており、フランス国内において最も輸出比率が高い地方です。
なお、日本は第三位の輸出先となっており、ブルゴーニュにとっては大きな取引先となっています。

ブルゴーニュ地方の地区

大きく6つの地区に分かれており、北から「シャブリ・グランオーセロワ地区」「コート・ド・ニュイ地区」「コート・ド・ボーヌ地区」「コート・シャロネーズ地区」「マコネ地区」「ボージョレ地区」があります。

このうち「シャブリ・グランオーセロワ地区」は北西に少し離れた位置に点在しており、白ぶどうの名産地としてあまりに有名です。

また、「コート・ド・ニュイ地区」「コート・ド・ボーヌ地区」の2地区はブルゴーニュを代表する産地であり、「黄金の丘」を意味する「コート・ドール」という愛称で呼ばれています。

ボージョレは少し例外的な地区

なお、ボージョレ地区は区分け上ブルゴーニュの一部とされていますが、その昔ブルゴーニュ公国の統治下ではなかったため、その個性は大きく異なりブルゴーニュとは少し特性が異なる産地となっています。

ワインを管理する団体も、ブルゴーニュとボージョレでは異なっておち、年間のワイン生産量などの統計もボージョレはブルゴーニュとは独立して集計しています。

ブルゴーニュ地方のワイン生産量

【ブルゴーニュ地方(ボージョレ地区除く)】
ワイン生産量:約150万hl
比率:赤・ロゼ33% 白:67%
栽培面積:約3万ha

【ボージョレ地区】
ワイン生産量:約85万hl
比率:赤・ロゼ95% 白:5%
栽培面積:約1.8万ha

以上のように、規模だけで見るとボージョレはブルゴーニュ全区の約半分ほどの生産量を誇っており、とても大きな産地であることが分かります。

主要なブドウ品種

●黒ブドウ
ピノ・ノワール
ガメイ(ほぼボージョレのみ)

●白ブドウ
シャルドネ、アリゴテ

レジョナルのA.O.C.

ブルゴーニュ
ブルゴーニュ・アリゴテ
ブルゴーニュ・ガメイ
ブルゴーニュ・バス・トゥー・グレン
クレマン・ド・ブルゴーニュ
コトー・プルギニヨン

ワイン用語 フルーツワイン

フルーツワインとは、ぶどう以外の果汁を使用し、ワインと同様に発酵させた醸造酒の総称。

発酵さえ可能であれば、どんな果物からでもフルーツワインをつくることができる。
ただ、糖分の多い果物のほうが発酵しやすいため、りんごや桃など甘味の強い果物が適している。
酸性が強いレモンやライムなどは、酸が酵母の増加を妨げてしまうため、発酵しづらく、ワインをつくるのが難しい。

フランスでは、リンゴを使用してつくったフルーツワインをシードルと呼ぶ。

そのほかにも、イチゴ、洋梨、パイナップル、ブルーベリー、オレンジ、パッションフルーツ、バナナ、アンズ、マンゴ、グァヴァなどを使ったフルーツワイン(Fruit Wine)が世界中でつくられている。

ワイン用語 ブリュット

ブリュット(Brut)とは、シャンパンの甘みの表示段階のひとつ。「辛口」を意味している。ブリュットとは「生のまま」を意味する言葉で、加糖がほとんどされていない辛口の味わいを表現するために使われている。

同様に辛口を意味する用語として「セック」が使われることがある。セックは「乾いた」「さっぱりとした」という意味があり、ブリュットと同義語では無い。

一般的に、甘辛度はリキュール・デグスペディションの添加量により、甘口から辛口まで6段階で表現されている。

極辛口がエクストラ・ブリュット、辛口がブリュット、半辛口がエクストラ・セック、半甘口がセック、甘口がドゥミ・セック、甘口がドゥなどと呼ばれているが、メーカーによっては呼び方は変わってくる。

ワイン用語 プリムール

プリムール(Primeur)とは、今後の価格の高騰を期待して、シャトーからの一番最初の出荷で買い付けるいわゆる先物取引を指します。

シャトーは、何回かに分けて出荷を行いますが、もちろん市場の評判がよければ後になるほどどんどん値上がりをしていきます。
いわば、ワインに対する投資です。

プリムール(先物)で、大きな富を築いた人も数多く居ますが、それには神懸かったテイスティングスキルが必須です。

ワイン用語 プリチュール・ノーブル

プリチュール・ノーブル(Pourriture Noble)とは?

プリチュール・ノーブル(Pourriture Noble)とは、ぶどうの果実にボトリティス・シネレア菌が繁殖している状態を指すワイン用語です。
この菌に覆われた状態のことを「貴腐」といい、この貴腐ぶどうからつくられる甘口ワインのことを貴腐ワインよ呼びます。

プリチュール・ノーブルから何故甘口ワインが生まれるか?

プリチュール・ノーブル、即ち貴腐ぶどうとは、ボトリティス・シネレア菌の菌糸が、ぶどうの皮を突き破っている状態です。

健全なブドウの皮は果実を完全に守っているため、果汁が蒸発することはありません。
しかし、菌糸が穴を空けているこの状態では果実が空気と触れてしまうため、その穴からぶどうの果実のうち、水分がどんどん蒸発してしまいます。

しかし、糖分は蒸発しませんので、プリチュール・ノーブルのぶどうは糖分が凝縮された「甘いぶどう」になるのです。

この糖分が凝縮されたぶどうでワインを作ることで、結果的にワインにも多くの甘みが残り、極上の貴腐ワインが生まれるのです。

ワイン用語 フラッシェンゲールング

フラッシェンゲールング(Flaschengarung)とは、ドイツにおける瓶内二次発酵、即ちシャンパーニュ方式を意味します。
瓶内二次発酵は、シャンパーニュ方式の他にも、トラディショナル方式、メトード・トラディショナルといった呼び方もありますが、フラッシェンゲールングはドイツにおける瓶内二次発酵の呼び名と覚えておきましょう。

ゼクトは必ずしも瓶内二次発酵で作る必要はなくシャルマ方式も認められていますが、瓶内二次発酵で作られたゼクトには、「フラッシェンゲールング(Flaschengarung)」とボトルに表記がされています。

ワイン用語 ブラインドテイスティング

ブラインドテイスティングとは、ボトルやラベルを隠してテイスティングをするスタイルのことを指します。
ワインボトルをクロスなどで隠して注ぐイメージがありますが、どのワインか事前に情報を持たないでテイスティングすることは何でも、一般的にブランドテイスティングと言います。

味、色、香りから、ワインの銘柄やブドウ品種、ヴィンテージを言い当てます。
人は情報に感覚を左右されやすいため、純粋にワインを感じることができるブランドテイスティングは、テイスティングのスキルを高めるのにとても重要な役割を持ちます。

ソムリエ協会の認定試験の2次試験は、このブラインドテイスティングによってワインの知識が問われます。

ワイン用語 ブショネ

ブショネ(bouchonne)とは、コルクが汚染・問題により起こるワインの劣化のことをいいます。
一般的に「コルク臭」と呼ばれる不快な臭いが発せられている症状です。

コルク内部の熱処理が困難で、殺菌しきれなかったコルクの内部に潜んでいた微生物がブショネの原因ともいわれています。
また、コルクを漂白するために使用していた塩素が微生物によって分解されたコルクの成分と結合することが、ブショネの原因とも言われています。
原因は完全には分かっていません。

ワイン用語 フォーティファイドワイン

フォーティファイドワインとは?

フォーティファイドワインとは、「fortify=強化」という言葉の通り、アルコール度数の強いお酒を添加することでアルコール度数を高めた「酒精強化ワイン」です。

醸造行程中に、アルコール度数が40℃~80℃のブランデーや醸造アルコールなどを添加して、アルコール度数を高めて作られます。

最終的に、フォーティファイドワインのアルコール度数は、15度~22度ほどまで上昇します。

酒精強化をする理由:保存性を高める

酒精強化をする理由は大きく2つあり、1つは保存性を高めるという目的です。

大航海時代などでは、長い船旅においては通常のスティルワインではすぐに劣化をしてしまいます。
そこで、アルコールを添加することでワイン自体の保存性を高めることで、船旅に耐えうるお酒としたのです。

その後は、船旅で赤道を通過する際に高熱で強烈な酸化熟成をしたワインが、かえって独特な風味になって人気になるなど、味自体が目的となって発展をしてきました。

酒精強化をする理由:味わいを作る

もう1つの理由は、フランスのVDNやVDLのように、甘口ワインを造るためや、味わいにコクを与えるなど、味自体を形成するためです。

ワインは、アルコール発酵によって酵母が糖分をアルコールに変化させることで生まれます。
そのため、ワインは基本的に糖分が全て消滅しているため、基本的には辛口となります。

酵母はアルコール度数が15度以上では死んでしまうという特性があります。
そこで、アルコール発酵の過程で意図的にアルコールを添加して度数を15度以上にしてしまうと、糖分が残った状態でアルコール発酵が止まります。

これにより甘みが残ったワインが生まれるというものです。

世界のフォーティファイドワイン

このように、フォーティファイドワインはヨーロッパでも広く普及した醸造方法であり、それぞれの国々で代表的なフォーティファイドワインがあります。

代表的なものを以下にまとめています。

・シェリー(スペイン)
・ポートワイン(ポルトガル)
・マデイラ(ポルトガル)
・マルサラ(イタリア)
・ヴァン・ドゥー・ナチュレル(フランス)
・ヴァン・ド・リキュール(フランス)

フォーティファイドワインは、女性よりも男性に好まれるケースが多いですが、個性のある面白いお酒も多くぜひチャレンジして頂きたいワインの1つです。

ワイン用語 フィロキセラ

日本では、ブドウネアブラムシと呼ばれるアブラムシの一種です。
ブドウの根に寄生する虫で、耐性の無いブドウの樹に付着するとたちまちブドウの樹を腐らせてしまいます。

ブドウの樹にとっては天敵ともいえる恐ろしい虫で、ワインファンの天敵であるともいえます。