ワイン用語 ネゴシアン・マニピュラン

ネゴシアン・マニピュラン(Negociant-Manipulant)とは、シャンパーニュ地方で、ぶどうの一部あるいは全部を栽培農家から購入して、シャンパンを醸造し販売する生産者。ラベルには略して「NM」と表記されることが多い。

ネゴシアン・マニピュランに対し、ぶどうの栽培から醸造、瓶詰めまでのすべてを行うシャンパンの生産者は、レコルタン・マニピュランと呼ばれる。ラベルには略して「RM」と表記されることが多い。レコルタン・マニピュランの多くは小規模生産者で、数多く存在する。

ネゴシアン・マニピュランが所有するシャンパーニュ地方のぶどう畑はわずかだが、生産量は総生産量の3分の2を占めている。ネゴシアン・マニピュランは、シャンパーニュ地方の主流であり、多くは大規模企業。

ワイン用語 ネゴシアン

ネゴシアン(Negociant)とは、酒商・仲買人を指す言葉です。
しかし、地域によって、ネゴシアンの定義が異なっているので、一言で説明することは難しいです。

ボルドーでは瓶詰めされたワインを買い付けて流通させるたり、既製のワインをブレンドさせて販売したりする、いわゆる「業者」のことを指します。

一方で、ブルゴーニュに於けるネゴシアンは、買い付けたブドウで酒造りを行います。
つまり、自ら畑を持たない人が、他人が育てたブドウを使ってワインを作る人のことを指すのです。

分かりやすいく違いを定義すると、ボルドーのネゴシアンはブドウがワインとなって瓶詰めされてからが仕事ですが、ブルゴーニュのネゴシアンはブドウを買い付けたところからが仕事という、仕事の範囲の違いになるかと思います。

「商人」と「生産者」とも言い換えれるかもしれません。

ワイン用語 ドメーヌ

ドメーヌ(Domaine)とは、ブルゴーニュ地方に於けるブドウを栽培してワインを造る、ワインの醸造所を指します。

フランス語で「所有地」「領地」を表す言葉です。
ボルドー地方に於けるシャトーと、ほぼ同じ意味の言葉として使われます。
地方ごとの文化の違いで、シャトーは比較的大人数で組織されていることが多いですが、ドメーヌは個人であったり少人数で運営されていることが多いです。

ちなみにブルゴーニュ地方を代表するワイン「ロマネ・コンティ」で有名なDRC社のDは、ドメーヌのDです。(DRC=ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)

ワイン用語 トゥニー・ポート

トゥニー・ポート(Tawny-Port)とは、ポートワインの分類の1つ。
ポートワインは、ポルトガル北部のドウロ地域で栽培されたぶどうからつくられるフォーティファイドワイン。世界3大フォーティファイドワインの1つに数えられる。

フォーティファイドワインは、ワインの醸造過程でアルコール(酒精)を添加して、アルコール度数を高めたワインで、ポートワインの場合、発酵途中にブランデーを加えることが多い。
ポートワインは、ルビー・ポート、ホワイト・ポート、トゥニー・ポート、ヴィンテージ・ポートの4つに大きく分類される。

ルビー・ポートは、黒ぶどう品種からつくられるもっとも一般的なポートワイン。熟成期間が2〜3年と短く、甘口。
ホワイト・ポートは、白ぶどう品種からつくられるポートワイン。
トゥニー・ポートは、ルビー・ポートを樽の中で長く熟成させたもので、黄褐色をしている。
ヴィンテージ・ポートは、作柄が非常に優れた年に収穫したぶどうのみを使用してつくられる高級ポートワイン。

ワイン用語 ドゥエミラ・ヴィーニ

ドゥエミラ・ヴィーニ(Duemila Vini)とは、2000年(ドゥエミラ)を節目に創刊された、イタリアソムリエ協会編集によるイタリアワインのガイドブックのこと。イタリアワインの二大ガイドブックである「ガンベロ・ロッソ」と「ヴェロネッリ」と肩を並べるポピュラーな評価本として知られている。。

ドゥエミラ・ヴィーニにおける評価は、チンクエ・グラッポリ(5つのぶどう)で示され、100点法で採点される。2グラッポリ、3グラッポリ、4グラッポリとぶどうの房の数で評価されていき、91~100点のワインに与えられる5グラップリが最高の評価とされる。

ドゥエミラ・ヴィーニで高評価を獲得したイタリアワインは世界中でその名が広まり、価格上昇のきっかけとなると言われてる。

ワイン用語 ドイツのワイン法

ドイツのワイン法の変更
ドイツのワイン法では、品質分類はターフェルヴァイン、ラントヴァイン、クヴァリテーツヴァイン、プレディカーツヴァインの4分類でした。
しかし、2008年のEUにおいての新ワイン法の導入に伴い、EU各国と同様にそのルールが変更されることになります。

そして、EUの基準に合わせて、大きく地理的表示のないワインと、地理的表示のあるワインの2つに分類されました。
これにより、地理的表記のないワインである「ターフェルワイン」という表記がなくなり、ドイツのワインという意味である「ドイチャーヴァイン」という新しい表記に統一されました。

2つの品質分類:g.g.Aとg.U.
そして、フランスのI.G.P.とA.O.C.と同様に、地理的表示付きワインは2つのカテゴリに分けられることになります。
I.G.P.に当たるカテゴリが保護地域名呼称の略称である「g.g.A」です。
一方で、A.O.C.に当たるさらに基準が厳しいカテゴリが保護伝統表記付きワインの略称である「g.U」です。

この中で「g.g.A」に属する品質分類として、「ラントヴァイン」があります。
そして「g.U」に属するカテゴリの中に「クヴァリテーツヴァイン」、最も品質が高いとされる「プレディカーツヴァイン」と2つの分類があります。
6つの格付け
さらにこの「プレディカーツヴァイン」のワインは、収穫時のぶどうの糖度から6つの格付けがあります。
格付けはぶどうの糖度が低い方から順番に以下のとおりです。

1、カビネット
2、シュペートレーゼ
3、アウスレーゼ
4,ベーレンアウスレーゼ
5、アイスヴァイン
6、トロッケンベーレンアウスレーゼ

このドイツの新ワイン法は2009年8月1日に発表され、2009年ヴィンテージから適用されています。
2011年までは古い表記と新表記の混在が認められていましたが、2012年からは新表記のみしか認められません。

ドイツワインのほとんどが原産地呼称ワイン
かなり複雑なドイツのワイン法ですが、このうち「ドイチャーヴァイン」と「ラントヴァイン」はあまり気にする必要はありません。
なぜなら、この2つのカテゴリをあわせても、ドイツ全体のワイン総生産の3%しか占めていません。
その理由は、ドイツは非常に険しい立地にぶどう畑が広がっているため、機械による収穫ができないため大量生産ができないためです。

ワイン用語 テロワール

テロワール(Terroir)とは、フランス語で「土地」を意味する言葉で、ワインの味を決める要素として重要視されている大切な考え方です。。

ぶどうに関わらず、多くの農作物は土壌によってその品質が大きく左右されます。
優れた農作物を生むのは、優れた土壌であることは、農業の常です。

その中でもワインは、特に土壌の影響を受けやすい果物と言われています。
ワインには、どんな栽培・製造をしようとも、決して隠せない個性があり、それこそがテロワールがワインに与える個性であるのです。

ワインにおけるテロワールの受容性は、昔から認められており、人為的に日当たりを良くしたり、水はけをよくしたりする試みも活発です。

しかし、人間が決して自然には敵わないのと同じように、いくら人工的に土壌をコントロールしようとも、もともと優れた力を持ったテロワールには決して適わないのが現状です。

フランスを初めとしたワイン生産国で、地域・畑による格付け(AOC)の規制があるのも、このためです。

テロワールを感じるためには、同じ生産者の異なる畑のワインを選ぶのが、最も効果的です。
テロワールを嗅ぎ取ることはかなり難しいことではありますが、一度そんなことを意識して飲んでみると楽しいかもしれません。

ワイン用語 デザートワイン

デザートワイン(Dessert Wines)とは、食後に提供される甘口のワインのこと。シェリーやポート、コニャックなど、甘口のフォーティファイド・ワインなどが一般的とされているが、デザートワインに特別な定義はない。

デザートワインに使われるワインは、ぶどうを発酵させるイーストが全糖分をアルコールに変化させる前に、純粋アルコール添加することでぶどうの甘みを濃縮させる酒精強化ワインと、自然の醸造方法を利用したワインの大きく2つの製造方法に分かれている。