ワイン用語 クロ

クロ(clos)とは、フランス語で石垣などの塀で囲われたぶどう畑、ぶどう園という意味。

ぶどうをクロで栽培すると、塀に囲まれているため強い風などの被害に遭うことがなく、よく育ち、十分に熟したぶどうが収穫できるとされている。

フランス産のワインの中でも、クロで栽培されたワインは名称の前に「クロ」が付けられることが多い。
特にブルゴーニュ地方にはクロの区画が数多くあり、有名なのはヴァージョ地方のクロで、「クロ・ド・ヴァージョ」は特級畑を意味する。

歴史的にも由緒あるこの「クロ・ド・ヴァージョ」を所有することはワイン業界において価値の高いこととされている。ここで収穫されたぶどうの多くがグラン・クリュ(特級ランク)のワインとなる。

一方で、石垣で囲われたぶどう畑でも、名前にクロと付いていない畑もある。

ワイン用語 クレマン

クレマン(Cremant)とは、フランスにおいてシャンパーニュ地方以外で造られたシャンパーニュ(シャンパン)と同じ製法で造られたスパークリングワインの総称です。
1974年に正式にアペラシオンとして法的に認められた、比較的新しいA.O.C.です。

シャンパーニュ(シャンパン)は瓶内二次発酵など、厳しい条件で作られる必要がありますが、その「シャンパーニュ(シャンパン)」を名乗るためには、フランスのシャンパーニュ地方で作られなければなりません。

しかし、シャンパーニュ地方以外でも高品質なスパークリングワインは作るための製法としてシャンパーニュと同じ製法でスパークリングワインが作られています。
この条件を満たしている場合は、「クレマン(Cremant)」を名乗ることが認められます。

ラングドック、ボルドー、ロワール渓谷、アルザス、ブルゴーニュといった多くの地方で生産されています。

ワイン用語 グレートヴィンテージ

グレートヴィンテージとは、優れた気候や天候によって、ワインの原料となるブドウが、とても優れていたヴィンテージ(生産年)のことを指します。

ヴィンテージは、ワインを選ぶ際の重要な判断基準でもあるため、グレードヴィンテージのワインは多くの消費者に好まれ、価格も高騰する傾向にあります。

しかし、ワインは完璧なものだけが素晴らしいわけではなく、平凡なヴィンテージにも優れたワインは存在します。

敢えてグレートヴィンテージを外して、素晴らしいワインを探す、というのもワインの楽しみ方の一つかもしれません。

ワイン用語 クリュ・ブルジョワ

クリュ・ブルジョワの解説
クリュ・ブルジョワとは、メドック地区の格付けの一種で、1855年に作成された「メドック格付け」の1つ下のカテゴリーとして役割を担っています。
長い間、政府が認可をした格付けではありませんでしたが、2003年に正式な格付けとして認められました。
クリュ・ブルジョワの歴史
クリュ・ブルジョワの概念の歴史は古く、12世紀にボルドーがイギリス領だった時代まで遡ります。
後にボルドーがフランス領として奪還したのちに富裕層がメドック地区の優れた畑を購入し、「クリュ・ブルジョワ」が生まれました。

その後、1932年にボルドー商工会議所とジロンド県農業会議所が、その権威のもとで444つものシャトーを「クリュ・ブルジョワ」として発表をしました。
しかし、このときは省庁の認可を得た国家公式の格付けではありませんでした。
その後、戦争の影響でクリュ・ブルジョワは激減をします。

転機があったのは2000年で、農務省の省令でこれまで曖昧だった規定を詳細に定義をすることになります。
それにより、「クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル」「クリュ・ブルジョワ・シュペリュール」「クリュ・ブルジョワ」の3つのカテゴリーに分けられ、メドック地区の全てのA.O.C.に門戸が開かれました。

既定の明確化に伴い2003年、ようやく政府が正式な格付けとして初めて発表を行います。
当時は、「クリュ・ブルジョワ・エクセプショネル」として9シャトー。「クリュ・ブルジョワ・シュペリュール」としてとして87シャトー。「クリュ・ブルジョワ」として151シャトーが認められ、計247のクリュ・ブルジョワが誕生しました。

また、メドックの格付けとは異なり、収穫年の2年後に定期的に審査が行われ、現在では243つのシャトーがクリュ・ブルジョワとして認められています。

ワイン用語 クリマ

クリマとは、主にフランスのブルゴーニュ地方において、ワインに個性に影響する気候条件も含めた地理的な区分を表す言葉であり、主にブドウ畑と同義語としても用いられます。
フランス語の意味としては「気候」や「風土」といった意味を持ちます。

ブルゴーニュ地方ではピノ・ノワールという繊細な単一品種でワインを作るため、土地の個性が色濃く反映されるという特性があります。
そのため、ブルゴーニュではミクロ・クリマという「微気候」という概念が存在しており、隣の畑であっても気候条件が違うということがよくあります。

このような背景から、「クリマ=ブドウ畑」といった概念が生まれ、産地の個性の区分を意味する言葉として定着しています。

ワイン用語 グリセロール

グリセロールとは(Glycerol)、口の中で滑らかなアルコールで、発酵の間に造られるアルコール成分成分です。
ワインに甘い風味と滑らかさを生与えます。

示性式ではC3H5(OH)3、分子式ではC3H8O3で示されます。

ワイン用語 グラン・クリュ

グラン・クリュ(Grand Cru)とは、フランスワインの産地における畑の格付けのこと。一流のぶどう畑に送られる称号だ。

グラン・クリュが示す畑のクラスは地方によって異なるため、ひとことに「最高峰のワイン向けのぶどうを収穫できる畑」と言い切ることはできない。

特にボルドーのメドック地区では広い範囲で使われており、「グラン・クリュ・クラッセ」という第1級から第5級までの階級の格付けがある。

ブルゴーニュ地方の場合、「グランクリュ」は最高の特級畑を意味しており、ブルゴーニュ地方の畑の1%に満たないと言われている。

従って、グラン・クリュは特級ワイン、最上級のワインに使われるぶどうの採れる畑として位置づけられ、一級ワイン向けぶどうの採れる畑の呼称として「プルミエクリュ」が使われている。

ワイン用語 グラン・ヴァン

グラン・ヴァン(grand_vin)とは、フランス語で「偉大なワイン」という意味で、主にトップクラスのワインを指して使われる。

世界的に認められている高級ワインや、1級のワイナリーで製造されたワイン、希少価値の高いワインなど、ある程度その名が世に知れ渡っているワインであれば、グラン・ヴァンと考えてよい。
特にボルドーやブルゴーニュで製造されたワインに対して用いられることが多い。

ただ、グラン・ヴァンに特別な規制や条件、定義などはなく、製造者が自由にグラン・ヴァンを名乗れるため、市場に出回っているワインの多くにグラン・ヴァンの記載があることも事実。

そのため、グラン・ヴァンという記載がワインの本当の価値を表しているとは考えにくい、という見方もある。実際、グラン・ヴァンを掲げていても、粗悪なワインもあるので注意が必要だ。

ワイン用語 クラレット

クラレット(Claret)とは、主にイギリスにおけるボルドーワインを指す通称です。
同じ意味として、クレレ(Clairet)とも呼ばれます。

クラレット/クレレとは「薄い赤色」を意味するフランス語です。
ボルドーのワインと言うと、どちらかというと濃いワインをイメージしますが、なぜ「薄い赤色」という言葉が、ボルドーワインの通称になったのでしょうか?これには長い長い歴史があります。

ボルドーは昔、イギリス領だった

ボルドー地方は、12世紀まで今と同じくフランスの領土でした。しかしこの地の王妃エレオノールがイギリスのヘンリー2世に嫁ぐことになり、その持参金としてこの土地をイギリスに差し出しました。
そのため、以後1154年~1453年という長い間、ボルドーはイギリス領となったのです。そのため、ボルドーのワインはイギリスに運ばれることになります。
そして、この時期のボルドーのワインはとても淡い色をしていたため「クラレット」という通称が生まれたのです。

その後、ボルドーのワインはとても濃い色をするようになりましたが、歴史は根強く現在でもイギリスでクラレットと言えば、ボルドーのワインを指すのだと通用するようです。

ワイン用語 グラスワイン

グラスワインとは、レストランなどでグラスに注いで提供されるワインのこと。
ひとりや少人数でワインを楽しむとき、アルコールに強くない人々と飲むときなど、ボトルで頼むと飲みきれない心配がある場合に適したオーダー方法と言える。

また、色々な種類のワインを楽しみたいときにも、グラスワインは重宝される。
料理との相性を重視し、一品ごとに異なるワインを注文するのも、グラスワインならではの楽しみ方だろう。

一方で、ワインは日持ちがしないため、高級なワインがグラスワインとして提供されるのは稀。このため、比較的安価なハウスワインなどが提供されることが多い。