ワイン用語 ヴァンダンジュ・タルディブ

ヴァンダンジュ・タルディブ(Vendanges Tardives)とは、フランスのアルザス地方で認められてる甘口ワインのラベル表記のこと。

ヴァンダンジュ・タルディブとはもともと、「遅摘み」を意味する言葉だ。ヴァンダンジュ・タルディブのラベル表記は、AOCアルザスとアルザス・グラン・クリュだけに認められている。フランスの全てのAOCの中でも、特に厳しい部類の審査をくぐり抜けた上質なワインであることの証明となっている。

ヴァンダンジュ・タルディブは、ゲヴルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング、ミュスカという4種類のぶどう品種のうち、いずれかの品種でつくる必要がある。一般的なぶどうの収穫開始の数週間後に、ヴァンダンジュ・タルディブ向けのぶどうの収穫が開始される。

ワイン用語 ヴァン・ド・ペイ

ヴァン・ド・ペイとは、2009年までのフランスのワイン法におけるワイン格付けの1つで、Vin-de-PaysあるいはV.D.P.と表示される。

2009年までのフランスのワイン法では、ワインを上位からA.O.C. (原産地呼称統制)、V.D.Q.S. (原産地名称上質指定ワイン)、Vin de Pays (ヴァン・ド・ペイ、V.D.P.)、Vin de Table (ヴァン・ド・ターブル、V.D.T.)の4段階に格付けしていた。

2008年にEU のワイン法が改正され、それに伴い、フランスのワイン法も2009年に改正さたため、現在、ヴァン・ド・ペイという格付けは存在しない。ワイン法改正後、フランスではワインをA.O.P.、I.G.P.、地理的表示のないワインに分類している。

ワイン用語 ヴァン・ド・ターブル

ヴァン・ド・ターブルとは、2008年までのEUのワイン法におけるワイン格付けの1つで、一般消費用のテーブルワインを示す。Vin de TableあるいはV.D.T.と表示される。また、2009年までのフランスのワイン法におけるワイン格付けの1つでもある。

2008年までのEUのワイン法では、ワインを上級ワインであるV.Q.P.R.D.(指定地域優良ワイン)と一般消費用のテーブルワインであるV.D.T. (ヴァン・ド・ターブル)の2つに分類していた。

2009年までのフランスのワイン法では、ワインを上位からA.O.C. (原産地呼称統制)、V.D.Q.S. (原産地名称上質指定ワイン)、Vin de Pays (ヴァン・ド・ペイ、V.D.P.)、Vin de Table (ヴァン・ド・ターブル、V.D.T.)の4段階に格付けしていた。

ワイン用語 ヴァラエタルワイン

ヴァラエタルワインとは、ワインのラベルにぶどうの品種名が表示されたワインのこと。Varietal_wineと綴る。ワインのニューワールド(ワインの新興国)で多く見られる。

フランスではワイン法により、その土地で使用できるぶどう品種や製法が決まっているこのため、地名を表示すればぶどう品種が分かるとされている。こうした理由から、ラベルには地名だけが表示され、ぶどう品種名は表示されていないのが一般的。

しかし一般の人々が必ずしもそうした知識を持っているわけではないため、わかりにくい、とうい声もあった。

そうした中、アメリカのカリフォルニアで、ワインに精通していない消費者にも分かりやすいように、ぶどう品種名を表示したワインが現れた。それが、ヴァラエタルワインと呼ばれるようになり、分かりやすさから人気が出た。

ワイン用語 ヴァイングート

ヴァイングートとは、オーストリアで、ぶどうの栽培からワインづくりまでを行うワイン生産者を指す。
ヴァイングートは、Weingutと綴り、いわゆるワイナリーを意味する。自己所有している畑の面積を上回らなければ、借りた畑を使用して栽培したぶどうでも良いとされている。

オーストリアでは、白ワインが多く生産されており、ワイン生産量の7割を占める。グリューナー・ヴェルトリーナー種を原料としたものが多い。
また、デザートワインもつくられていて、ノイジードル湖周辺の貴腐ワインが有名。

近年、赤ワインの生産も増えてきており、現在はワイン生産量の3割を占めるまでになった。ブラウフレンキッシュ種やピノ・ノワール種、オーストリアで品種改良されたツヴァイゲルト種が主として使用されている。

オーストリアでは、1990年代以降、オーガニック農法が広がり、現在では農地の2割がオーガニック農地となっている。

ワイン用語 ヴァイスヴァイン(Weisswein)とは?

ドイツでは、赤ワインよりも白ワインが多くつくられていて、ワイン生産量の半分以上を白ワインが占めている。ドイツのワイン法では、ぶどうの熟成度と糖度によってワインの格付けが行われているため、等級が上がるにつれて、甘口でボリューム感のあるワインになる。

通常、白ワインは白ぶどう品種からつくられる。ぶどうの実を軽く潰した後、すぐに皮や種子を取り除き、アルコール発酵を行う。そのため、ぶどうの色素や苦味が少なく、初心者でも飲みやすいと言われている。若いワインほど色が透明で、熟成されるほど色が濃くなる。

ボルドー五大シャトー(醸造所)

シャトー・ラフィット・ロスシルド

ボルドー五大シャトーの筆頭ともいえるシャトー。世界最高峰の名に恥じないその圧倒的なエレガンス は、他に類を見ません。

シャトー・マルゴー

“フランスワインの女王”と呼ばれるボルドー・メドック地区 の中でも、最も女性的とされるワイン。ヘミングウェイがこよ なく愛したことでも知られ、日本でも小説「失楽園」で有名になりました。

シャトー・ラトゥール

“不作知らず”とも呼ばれるほど安定したワインを作り出しているシャトー。エチケット(ラベル)に描かれている“塔”は、15世紀に土地を所有していたイギリス人が、海賊の攻撃から身を守るために築いたもの。

シャトー・オー・ブリオン

ボルドー最古の歴史を誇り、唯一メドック地区以外から選ばれたシャトー。1814年のウィーン会議での晩餐会でもてなされ、“フランスを救った救世主”とまで呼ばれ たワインです。

シャトー・ムートン・ロスシルド

1973年の格付けで、第二級から一級へと昇格したシャトー。毎年その時代の著名画家に描かせているエチケット(ラベル)は、コレクターにも人気です。

ワイン用語 アロマ

アロマ(aroma)とは、ぶどう本来の香りと発酵段階で生まれる香りのこと。

アロマは、第1アロマ、第2アロマ、第3アロマの3つに分けられる。第1アロマはぶどう本来の香り、第2アロマは発酵過程で生成された香り、第3アロマは熟成期に生成された香り。このうち、第1と第2アロマが「アロマ」、第3アロマが「ブーケ」と称される。

アロマとブーケはよく混同されるが、アロマはワインをつくる過程で生まれる香りで、ブーケは若いワインを樽の中で熟成させる間に生まれる香りとなる。

毎年11月の第3木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォーは、熟成させない若飲みタイプなのでブーケをほとんど感じられない。

アロマを楽しむには、ワインをグラスに注いだときに立ちのぼる香りを味わう。一方、ブーケを楽しむには、グラスに注いだワインを大きく揺らし、空気に多く触れることで立ちのぼってくる香りを味わうのが良い。

ワイン用語 アラン・ユドロ・ノエラ

アラン・ユドロ・ノエラ(alain-hudelot-noellat)とは、フランスのブルゴーニュ地方に位置するヴージョ村を本拠地とするドメーヌ。

ドメーヌは、細分化されたぶどう畑を分割所有し、ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまでを行うワイン生産者。1964年にアラン・ユドロ氏が、妻のオディール氏とともにヴージョでワインづくりを始めたのが、アラン・ユドロ・ノエラの始まり。

妻のオディール氏はブルゴーニュ屈指のドメーヌと称されたシャルル・ノエラ氏の孫娘。1978年に祖父の所有畑の4分の1を受け継いだことにより、アラン・ユドロ・ノエラの基礎を確立した。

現在は、孫のシャルル・ヴァン・カネット氏が跡を継ぎ、ワインづくりを行っている。祖父同様その評価は高く、星付きレストランで取り合いになるほどのワインをつくり出している。また、カネット氏は、ビオディナミック農法にも関心があり、太陰暦を基にしたカレンダーを使用してぶどう栽培を行うこともある。

ワイン用語 アモンティリャード

アモンティリャード(Amontillado)とは、シェリーの種類の1つ。
シェリーは、スペイン南部のアンダルシア州カディス県に位置するヘレス市とその周辺でつくられているフォーティファイドワイン。世界3大フォーティファイドワインの1つに数えられる。

シェリーは、「フィノ」、「マンサニージャ」、「アモンティリャード」、「オロロソ」の4種類に大きく分けられる。この4種類は、パロミノ種というぶどうを使用している。発酵前までの工程はまったく同じだが、気候や添加するアルコールの量などの違いで、色や味わいが異なる。

フィノは、発酵時に酵母に覆われ、あまり空気に触れない。そのため、色は透明で、独特の風味を持つ。マンサニージャは、サンルーカル・デ・バラメダという町でのみつくられるフィノタイプのシェリー。オロロソは、発酵の過程で酵母が発生しなかった、あるいは意図的に付けなかったシェリー。通年空気に触れるため、酸化熟成される。

アモンティリャードは、フィノに存在する酵母が無くなった、あるいは意図的に無くしたシェリー。フィノより空気に触れる時間が長いため、酸化熟成が進み、琥珀色や褐色をしている。フィノとオロロソの中間のシェリーと言われている。