ワイン用語 アマローネ

アマローネ(Amarone)とは、イタリアのヴェネト州ヴェローナ近郊に位置するヴァルポリチェッラ地区でつくられる伝統的なワイン。

アマローネは、収穫した後に厳選したぶどうの粒を、陰干し(アパッシメント)してからつくるワインで、ヴァルボリチェッラ地区で醸造されたものしか、アマローネと呼ばれない。

通常、10月頃に完熟したぶどうを手で収穫し、質の高いぶどうの粒だけを選び、風通しの良い専用の部屋で2〜6か月の間陰干しする。その後、2年以上の樽熟成、6か月以上の瓶熟成を経て、アマローネとして世に出る。

アマローネは、DOC(統制原産地呼称)ワインのため、陰干し期間、樽熟成期間、瓶熟成期間、イタリア固有品種の使用など、さまざまな規定がある。

ワイン用語 アペラシオン

アペラシオン(Appellation)とは、フランスにおける法律に基づいたワインの原産地を示す呼称のこと。

フランスには、EU法でのVQPRDに当たるAOC(原産地呼称統制法)とVDQS(上質指定ワイン)という2つの法律があり、アペラシオンはAOCの“A”に該当する。

ワインは、土地の土壌や気候、醸造方法などによって個性が大きく異なるため、そのワインの出目は極めて重要な要素とされている。

世界のワイン名産地では、産地名を表記するために厳しい法律が定められている。フランスのAOCの場合、使用するぶどうの産地、生産地域、最大収穫量、アルコール分、生産方法、醸造方法などが厳しく法律で定められ、その規定を満たしたワインだけが産地名(アペラシオン)を名乗ることができる。

ワイン用語 アプフュルング

アプフュルング(Abfuller)とは、ドイツ語でワインの瓶詰めを意味する言葉だ。

貯蔵のためにワインをある容器に詰めることをドイツ語で「アップフュレン(ABFULLEN)」と言い、ワインをブレンドして瓶詰めした瓶詰め業者のことを「アプヒュラー(Abufuller)」という。

ドイツ語では、フランス語におけるシャトーが「シュロス」と表記され、醸造元の元詰めワインのことを「シュロスアプフュルング」と呼んでいる。

また、「エアツォイガーアップフュルング(Erzeugerabfullung)」は「生産者元詰め」を意味しており、特性生産者のぶどうのみから、自己所有している醸造所で瓶詰め(アプフュルング)を行ったときのみに表示が許されている。

ワイン用語 アニャダ

アニャダ(Añada)とは、単一収穫年のぶどうからつくられたシェリー。

シェリーは、スペイン南部のアンダルシア州カディス県に位置するヘレス市とその周辺でつくられているフォーティファイドワイン。世界3大フォーティファイドワインの1つ。

通常、シェリーは、古いワインと新しいワインをブレンドしながら熟成させていくソレラシステムでつくられているため、ヴィンテージ(ぶどう収穫年)が混ざったワインになる。しかし、単一収穫年のワインでつくられるシェリーもあり、それをアニャダと呼ぶ。

ソレラシステムでは、瓶詰めを1番古い樽から行う。その際、1つの樽につき3分の2程度ワインを残す。減った分(3分の1)を2番目に古い樽から補い、またその2番目に古い樽には3番目に古い樽のワインを補うというように、樽から樽へ、ヴァンテージの異なるワインをブレンドしていく。

ワイン用語 アッサンブラージュ

アッサンブラージュ(assemblage)とは、2種類以上のぶどう品種をブレンドして、1つのワインをつくること。

味の異なるワインをブレンドすることで、複雑な味わいが生まれ、風味が豊かになる。

ブレンドが行われるタイミングは、ワイナリーにより異なる。樽熟成の前にブレンドを行うワイナリーもあれば、樽熟成開始から4ヶ月後にブレンドを行うワイナリー、樽熟成が終わってからブレンドするワイナリーもある。

つまり、アッサンブラージュは、ワインを瓶詰めする前に行われる製造工程の1つと言える。

アッサンブラージュは、主にボルドー地方で行われていて、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、カベルネ・フラン、プチ・ヴェルドといった品種が多く使用されている。

ワイン用語 アタック

アタックとは、ワインを口にしたときの第一印象を指す。

ワインは余韻が長く残る酒のため、味わいを段階的に分けて表現する必要がある。アタックは、ワインのイメージを形成するために最も重要な要素と言われている。

アタックは一般的に、「強い」「弱い」という言葉を用いて表現されることが多い。「軽い」「やや軽い」「やや強い」「強い」「インパクトのある」など、おおよそ5段階程度に分けて第一印象が語られることになる。

また、ワインの香りの特性を表現する上でも、「アタック」という言葉が使われることもある。スワールをしてワインをグラス内の空気に触れさせた後、グラスを近づけたときに嗅覚で感じた総体的な印象のことも「アタック」と呼び、こちらも強弱を使った表現が用いられる。

ワイン用語 アイスワイン

アイスワイン(Ice-wine)とは、マイナス7度以下で氷結したぶどうを使ってつくられるワイン。

ぶどう果汁を絞る際、凍っているため水分が少なく、ぶどうのエキスや糖分の高い果汁を絞ることができる。そのために、甘味の強いワインとなり、デザートワインとして楽しまれている。

アイスワインは、1794年に予想外の霜に見舞われたドイツのワイナリーが、収穫せず凍ってしまったぶどうを惜しみ、試しにワインをつくったのが始まり。
現在、アイスワインはドイツとカナダで主に生産されているが、アメリカやオーストラリアなどの地域でも、少量ながら生産されている。

EUのワイン法では、アイスワインに使用するぶどうは、気温がマイナス7度を下回っているときに収穫することが定められている。こうした厳しい気象条件など、生産性の低さからアイスワインは、高級ワインとされている。

ワイン用語 AOVDQS

AOVDQSとは、Appellation d’Origine Vin Delimite de Qualite Superieure(アペラシオン・ドリジン・ヴァン・デミリテ・ド・カリテ・スペリュール)の略称。2008年までのフランスのワイン法で、原産地名称上質指定ワインを意味した。

2009年にフランスのワイン法が改定されたことで、VQPRDの中にAOCと共に含まれていたAOVDQSは、Vin de Payと統合され、IGP呼称に変更した。

また、2011年まですべての産地がAOCに昇格したことから、AOCの1ランク下のカテゴリーであったVDQSワイン規格が、2011年12月31日をもって廃止されている。

ワイン用語 A.O.C.(Appellation d’Origine Contrôlée、原産地統制名称)

ある特定の地区または地域で造られたワインで、厳しい生産条件を遵守し、官能検査と分析検査の結果、公式の認可を得たもの。A.O.C.は、典型的なスタイルをもつ高品質のワインであることを消費者に保証します。A.O.Cボルドーは地域名アペラシオンで、INAO(国立原産地品質研究所)が厳格に規定した生産地域で造られます。

A.P.Nr.

A.P.Nr.とは、ドイツワインにおける原産地呼称ワインにおいて表示が義務づけられている公的検査番号のこと。読み方は、アーペーヌマーとなる。

A.P.Nr.は、ドイツワインにおける上級ワイン(クーベーアー)以上の上級ワインや高級ワインに表示される。摘果時の熟度検査が行われる第1段階、化学分析検査による第2段階、官能検査(テイスティング)による第3段階と、すべての厳しい検査に合格したワインだけにA.P.Nr.表示が許される。

公的検査機関の登録番号、生産者の所在地の登録番号、生産者の登録番号、生産者が申告した年のワインの通し番号、検査された年号の計5つの表示されており、A.P.Nr.によって、いつでもそのワインの原産地までを確認できるようになっている。