ワインをエレガントに飲むためのポイント

①柔らかくグラスを持つ

グラスを持つ手はソフトに。グラスの長い足の部分を軽やかに持つだけで、扱い慣れていると分かります。グラスの淵を持つ人は相当使い慣れている感があります。

②飲む前に香りを確認する
飲む前に必ず香りを確認しましょう。ワインは香りと一緒に楽しむ飲み物です。香りを確認する仕草をするだけでワインの楽しみ方を知っていると見て取れます。

③軽くグラスを回す
ワインの香りは空気と接触することでドンドン変化します。グラスを軽く回して、中の液体を空気と馴染ませてあげましょう。この所作が加わると「ワインを嗜んでいる」ことがハッキリわかります。

④目をつむって飲む
ワインは香りと一緒に飲み込みます。その際、目をつむって飲みましょう。途端にエレガントな印象になります。

⑤ゆっくり飲む
スパークリングワインを含め、ワインは喉を潤すように飲んではいけません。ワインはグラスに注いでから時間の経過と変化も楽しめます。ゆっくり、一口づつ、香りと味を確認しながら、その変化を楽しみましょう。

ワインの4つの分類

スティルワイン
最も一般的な、泡立ちのないワイン。ブドウ原料や製造工程によって、「赤ワイン」「白ワイン」「ロゼワイン」のように分けられます。

スパークリングワイン
発泡性のワイン。アルコール発酵の際に発生する二酸化炭素をワインの中に閉じ込めることによって造ります。フランスのシャンパーニュ地方で造る「シャンパーニュ(またはシャンパン)」が有名です。スパークリングワインにも使用するブドウ原料の違いで「赤・白・ロゼ」(シャンパンは白・ロゼのみ)があります。

酒精強化ワイン(フォーティファイトワイン)
ブドウの発酵の途中でブランデーなどの蒸留酒を加えて、意図的にアルコール成分を高めたものです。元々は酸化しやすいワインの保存を高めるために造られていたと言われます。アルコールを添加するタイミングで甘口と辛口があり、スペインの「シェリー」やポルトガルの「ポート」や「マデイラ」がこれに該当します。

フレーヴァードワイン
ワインに薬草や果物などを加えて風味付けしたものです。イタリアの「ヴェルモット」や、スペインの「サングリア」がこれに該当します。

日本の酒税法における分類

ワインは日本の酒税法において、醸造酒の中でも「果実酒」のカテゴリーに含まれます。ヨーロッパ諸国においてはワインは「ブドウを原料としたもの」の決まりがありますが、日本では厳密なワインの法律が整備されていません。

そのためブドウ以外の果物を使った物でもワインと呼ぶことができますが、一般的にワインと言えば、やはりブドウを原料とした醸造酒と考えて間違いないでしょう。

ワインの造り方による分類

お酒の造り方の分類においては、ワインは醸造酒に該当します。

醸造酒
アルコール発酵は、お酒の原料となる穀物や果物の糖分に酵母が反応し、アルコールと二酸化炭素を発生する作用です。このようにして造るのが醸造酒で、ワインや日本酒などがこれに該当します。

日本酒などの穀物が原料の醸造酒は最初に「糖化」という製造工程が必要なのに対し、ワインはブドウ果汁に含まれる糖分が果皮に付着している酵母と反応し、ほとんど自然にアルコール発酵が起こります。ワインは醸造酒の中でも、特にシンプルなお酒でもあります。

醸造酒以外のお酒
蒸留酒
醸造酒に熱を加えるなどして純度の高いアルコールを抽出して造るお酒です。穀物を使ったものでは「焼酎」、ブドウを使ったものでは「ブランデー」が代表的です。
混成酒
醸造酒や蒸留酒に風味付けしたもので、リキュールなどがこれに該当します。

ワインの生産は、寒冷地向き

世界中のどのワイン産地でも、白ワインは必ず造られていますが
どちらかというと、涼しい気候の産地ほど白ワインの生産が盛んです。

寒冷地で育てられたブドウは熟度が低くなり
白ワインにせよ赤ワインにせよ、酸っぱく軽いものになりがちです。

白ワインは酸味が強くても「個性」として肯定的に捉えられますが
赤ワインの場合、味わいのバランスが崩れてしまい否定的に捉えられます。

また、寒冷地では赤ワイン用の黒ブドウが十分に色づかないため
一般に色の薄い赤ワインしかできません。
だから、必然的に白ワインの生産比率が高くなるのです。

白ワインの生産が盛んな冷涼地といえば、
フランス北部のロワール、シャンパーニュ、アルザス、ブルゴーニュや
ドイツ、ニュージーランドなどが上げられます。
こうした産地では、軽く酸味の強い白ワインが主流です。

一方温暖な産地のワインは、果実味、アルコール、
ボディのしっかりしたスタイルとなり、酸味は中庸から控えめです。
こうした産地は、白ワインもありますが、主に赤ワインを造っていることが多いです。

白ワインの基礎知 識軽くシンプルなテイストが多い

その他白ワインの特長としては、
比較的ボディの軽い物、風味のシンプルなものが多いです。

これも、果汁だけを原料として造ることに由来しています。
白ワインに魚介類を合わせることが多いのは、
軽いワインやシンプルな味わいのワインほど、さっぱりとした軽い食材とマッチするからです。

また、白ワインは比較的低めの温度できりっと冷やした方が、
おいしく感じられることが多いですが、これも軽くシンプルなワインならではの特長です。

白ワインの基礎知識白ワインのベースは「酸味」

ワインの味において、ベースとなるのは「酸味」と「渋み」です。
でも、果汁だけを使う白ワインには、渋みはあまり含まれていません。

ですので、白ワインの味わいにおいては、酸味が最も重要な要素となります。
白ワインにもさまざまなタイプがありますが、
大雑把に言う、とすっぱいものとそうでないものに分かれます。

ワインの酸味は、産地の気候や品種などに影響を受けています。

白ワインの基礎知識ブドウの果汁だけを使用

白ワインは、ブドウの果汁だけをアルコール発酵させて造っています。
これに対して、赤ワインは、ブドウの果汁だけでなく果皮も使います。
この果皮から色素が抽出されて、赤くなるのです。

「白」ワインと言いますが、実際の色は白ではなく黄色がベース。
主に白ブドウが原料ですが、黒ブドウでも果汁には色がついていないため
黒ブドウ原料の白ワインも一部存在します。

果汁だけを使って造るため、白ワインの色は赤ワインと比べると
比較的透明度が高く、淡い色になります。

赤ワインの味の決め手

赤ワインの味の決め手のひとつに、ブドウ品種があります。赤ワインを選ぶときに、覚えておきたい黒ブドウのおもな品種は14種くらい。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールなど赤ワインのブドウ品種を語るときには、「重い」「しっかりした」「濃い」といった表現をします。

赤ワイン造りの特徴は、特有の赤い色(アントシアニン)や渋み(タンニン)を含んだブドウの果皮や種を漬けこんで造ること。こうして果皮に含まれる香気成分を抽出することをマセラシオンといいます。

工程としては、選果した黒ブドウから果皮や種を残したまま果汁を出し、それを発酵タンクに入れてアルコール発酵。発酵中の果汁に浮く果皮を櫂で沈めたり、ポンプでタンク内のワインを循環させたりするなどしてマセラシオンを行います。

マセラシオンの期間は5日から2週間ほど。こうしてマセラシオンが終わったら、乳酸菌の働きによりワインのなかのリンゴ酸を乳酸に変えるマロラクティック発酵という工程を経て、発酵終了後にタンクや樽で熟成します。

こうしてできた赤ワインの味を語るとき、白ワインに比べて「重い」「しっかりした」「濃い」と表現されることが多いのです。また、世界の赤ワインは辛口がほとんど。でも、ドイツやイタリアなどには、ベリー系の味わいの甘口の赤ワインも少数ではありますが、存在しています。

ワインの甘口と辛口

ワインにおける辛口は、甘味の少ないスッキリとした味わいです。ワインの辛口とは、本当に辛いのではなく、基本的に「甘くないもの」を辛口と表現しています。例えば、普通の水と砂糖水を比べてみて、普通の水を飲んで辛いと思わなくても、甘い砂糖水に比べると甘くないので、普通の水は辛いと表現するようなイメージです。甘口は、甘味をまろやかに感じる程度の控えめなものから、はっきりと甘味を感じる極甘口まであります。

ところで、ワインは何をもって甘口と辛口に分けられるのでしょうか? 先述したとおり、辛口といってももちろん香辛料が加えられているわけではありません。それどころか、まったく同じブドウ品種を原料にして甘口から辛口まで造ることができます。では、どこが甘口、辛口の決め手となるのでしょう。

ワインは、ブドウの果皮などに含まれる酵母菌が果実の糖分を食べることでアルコール発酵が起き、お酒となります。その酵母菌が糖分を食べ切ってしまえば甘味のない辛口ワインとなります。

また、途中で酵母菌の働きを抑えて糖分を残せば甘味のある甘口ワインとなります。つまり、甘口か辛口かどうかは、おもにワイン中の糖分の残量で決まります。醸造技術が発達している現代では、酵母の働きを熱で抑えたり、遠心分離で取り除いたりすることができるため、甘辛度をある程度調整することができるのです。