ワイン用語 貴腐ワイン

貴腐ワイン(Noble-rot-wine)とは、貴腐ぶどうを用いて製造されたワインのこと。
貴腐ぶどうとは、ポトリティス・シネレアというカビに感染したために、糖度と芳香が高まったぶどうのこと。そのため、貴腐ワインは通常の甘口ワインよりも糖度が高い超甘口ワインとなる。

甘みが強いため、主に食前酒やデザートワインとして好まれており、アイスクリームにかけるなどデザート感覚で楽しむ人も多い。
貴腐ぶどうは、さまざまな自然条件が整わないと栽培できないことから希少価値が高い。このため、貴腐ワインは「ワインの帝王」とも称されている。
貴腐ワインは、17世紀半ばのハンガリー・トカイ地方で、オスマン帝国の侵略により収穫が遅れたために偶然できた貴腐ぶどうでつくられたのが始まりとされている。

トカイのほか、ドイツのライン地方およびフランスのモーゼル地方、そしてフランスのソーテルヌが貴腐ワインの3大産地として有名。
日本ではサントリーが1975年に山梨県で貴腐ワインの生産に成功、その後、長野県や北海道でも製造されている。

気品のある甘美な味わいと糖蜜のような芳醇な香りで、フランスのルイ14世やオーストリアのマリア・テレジア女王(マリー・アントワネットの母)など、数々の歴史上の人物を魅了したワインとしても知られている。

ワイン用語 貴腐ぶどう

貴腐ブドウ(キフブドウ)とは、白ワイン用品種のブドウにおいて、ボトリティス・シネレア菌(カビ)が果皮に感染することによって糖度が高まり、強い香りを持つようになったブドウのことを指します。
この現象のことを貴腐化といいます。

貴腐化したブドウを「貴腐ブドウ(きふぶどう)」と呼び、それを使って造られたワインは極甘口となります。
この貴腐ブドウを用いて造られたワインのことを「貴腐ワイン」と呼び、デザートワインや食前酒として愛されています。

「貴腐」とは、腐敗したように見える外見からは想像できないような芳香と風味を持ったワインが醸造されることから、フランス語・ドイツ語で「高貴なる腐敗」と呼ばれていり、日本でもその直訳で「貴腐」と名づけられている。

ワイン用語 蒸留酒

蒸留酒とは、蒸留により醸造酒のアルコール度数を高めた酒類のこと。麦や芋、米を原料としている焼酎、ワインやシードルなどからつくるブランデーが蒸留酒に該当する。醸造酒や混成酒、発泡性酒類といった酒類分類の中のひとつ。

一般的に蒸留酒はアルコール度数が高い酒類とされているが、蒸留後に加水した場合でも蒸留酒として認められるため、アルコール度数が低い蒸留酒も存在する。

蒸留酒は大きく分けて、ブランデーなどの果実原料のものと、焼酎やウイスキー、ジンなどの穀物原料のものの二つに大別されている。

また、蒸留を行うための設備として「連続式蒸留器」と「単式蒸留器」がある。ウイスキーの場合、モルトウイスキーの蒸留は単式蒸留器で1回、グレーンウイスキーの場合は連続式蒸留器で2回行われる。

ワイン用語 自然派ワイン

自然派ワインとは、有機栽培のぶどうを使用し、酸化防止剤の添加を極力抑えったワインを指す。ただ、明確な定義は存在しない。

自然派ワインの条件の1つとして挙げられるのが有機農法。有機農法には、リュット・レゾネ、ビオロジック、ビオディナミの3つの方法がある。

リュット・レゾネは、人工合成による肥料や薬剤を使用せずにぶどうを栽培する方法。ただし、病虫害が発生した場合などに限り使用する。このため、有機農法に含まれない場合もある。

ビオロジックは、リュット・レゾネ同様に、人工合成による肥料や薬剤を使用せずにぶどうを栽培する方法。ただし、病虫害の予防に、硫黄や銅などの使用が認められている。

ビオディナミは、オーストリアの哲学者で、人智学の創始者であるルドルフ・シュタイナーが提唱した農法。太陰暦に基づいた「農業暦」にしたがって種まきや収穫などを行う。さらに、土壌と植物、動物の相互作用だけでなく、天体の動きにも着目して農業を行うというもの。水晶やオークの樹皮といった、独自の調剤を使用する。

ワイン用語 結実

結実とは、ぶどうの樹に咲いた花が果実に変化し、ぶどうの果実と変貌する段階を指します。

ぶどうはワインの果実を100%の原料として作られるため、結実段階に問題があるとその後のワイン造りに大きな問題が生じるため、とてもデリケートにならなくてはならない段階です。

ワイン用語 神咲豊多香

神咲雫の父親であり、世界的なワイン評論家。
世界有数のワインコレクターでもあり、所有するワインの市場価格の総額は20億円相当と言われる。
若いころにワインの先物取引(プリムール)で財産を築いた。

話の冒頭で膵臓癌で死亡するが、その死の直前までワインを飲んでいた。
作中ではロバート・パーカーJrに並ぶ世界的ワイン評論家とされており、ワイン関連の書籍も多く出版し、市場価格にも影響を及ぼしていた。
また、評論家だけにとどまらず、その天才的な味覚・嗅覚を活かして、ワイン醸造のコンサルティングも行っていた。
評論家のスタイルとして、ワインを点数で評価することは、一切しない。

ワイン用語 硬いワイン

強烈な苦味と酸味によって、滑らかさとアルコールが圧倒されたワインを指します。
一般的に長熟型といわれ、時間が経つにつれてソフトになります。

クオリティに対して硬いワインは飲み頃よりも早く開けてしまったとかんがえられるため、時間を置いたり、デキャンタージュをするなどでポテンシャルを引き出してからワインを飲むことをお勧めします。

ワイン用語 石灰質土壌

石灰質土壌とは、石灰岩から構成される粘土質の少ない土壌のことです。
石灰岩とは、大昔の海底生物の死骸で形成された鉱物であるため、石灰質土壌が多い土地は太古は海底であった土地と言われています。

石灰質土壌は、保水性が高い一方で、水分が飽和すると反対に水はけが良くなる、というワイン作りに最適な土壌と言われています。
特に、ピノ・ノワールというブドウ品種がよく好む土壌して有名です。

石灰質土壌は、世界のわずか7%しかないといわれている中、フランスは国土の55%が石灰質土壌といわれています。
このことからも、フランスは歴史的な背景だけでなく、文化・土壌共にワインにとって相性のいい国であることが伺えます。

ワイン用語 発酵

発酵(fermentation)とは、酵母菌などの微生物が、有機化合物を酸化してアルコールや有機酸、二酸化炭素などを生成すること。

ワインの醸造では、第1次発酵(アルコール発酵)とマロラクティック発酵が行われる。

第1次発酵では、ぶどうの果実に付着している天然酵母が、ぶどう果汁に含まれる糖分を、アルコールと炭素ガスに変化させる。この発酵をアルコール発酵と言う。この際、香り成分も生成される。発酵期間は1〜3週間くらい。

糖分をすべてアルコールに変換させると辛口のワインになり、酵母の活動を抑えたりして、糖分を残すと甘口のワインになる。

マロラティック発酵では、ぶどうに含まれるリンゴ酸が、乳酸菌によって乳酸と炭酸ガスに分解される。この発酵により、ワインの酸味が抑えられ、まろやかになる。また、発酵の副産物により、香りが複雑になる。

ワイン用語 甘口ワイン

甘口ワイン(sweet wine)とは、甘みが強いワインのこと。ワイン内の糖分が多いほど、甘口になる。

ワインは、ぶどう果汁に含まれる糖分を、発酵によってアルコールに変化させることによってつくられる。発酵が進み糖分がほとんどアルコールに変わると辛口になり、反対に充分に発酵せず糖分が多く残っていると甘口になる。

甘口ワインを作る方法は、発酵の途中でブランデーなどアルコール濃度の高い酒を注入するなどして糖分が残ったまま発酵を意図的に止める方法や自然に止める方法の他、発酵が止まった後に甘いリキュールを足す、などの方法がある。

甘辛度は個人の感覚による部分も多い。一般的に販売されているワインの甘辛度は、メーカーやワイン業者が独自に判断して表示しているもので、明確なルールは存在しない。

また、糖分が多く残っている分、甘口ワインの方が辛口ワインよりアルコール度数が低い傾向がある。しかしながら、ブドウの栽培地域や方法、収穫時期などさまざまな要因によって、アルコール度数が高い甘口ワインもある。