5大コニャック マーテル

レミー・マルタンやヘネシー、カミュに比べると初めてその名を知る人も多いかもしれませんが、マーテルはその3社よりも長い歴史のあるコニャックメーカーです。 ジャージー島出身のジャン・マーテルによって1715年に創業して以来、300年以上に渡り歴史は今も続いています。そのコニャックの製法は、古典的で伝統的でありながらも世襲制のチーフブレンダーによって、最高のブレンドが生み出されています。

ボルドリーの60%を所有していて、原酒はブドウの濁りを残さずキレイにろ過しているので、その味わいは、とても軽やかで雑味がなく、果実味があり華やかなテイストです。
始めは、地元で愛されるブランデーでしたが、その味わいから貴族にも知れ渡り、コニャック地方を魅了するブランデーになりました。

マーテルの中でも有名なのが、マーテル・コルドン・ブルーです。コルドン・ブルーとは、フランスで名誉ある騎士団に送られた栄誉ある青いリボンの勲章のことです。世界中からも高い評価を受けています。日本では流通していないコニャックもあるので、希少価値の高いブランデーの一つです。

5大コニャック カミュ

カミュの特徴は、なんといっても家族経営で守り抜かれた伝統にあります。1863年に創業して以来、長きに渡って守られており、初代ジャン=バティスト・カミュから現在の5代目の経営者でもあり、マスターブレンダーでもあるシリル・カミュまでその歴史は今も続いています。伝統を重んじているので、コニャックの名門とも呼ばれていて、世界的にも高い評価を得ています。

コニャック地方で3番目に良いとされるボルドリーに広大な畑を所有しており、その繊細でまろやかな味わいの秘密は、ボルドリーの古酒がブレンドされているからです。古樽を使用しているため、さわやかなスミレの香りも特徴的です。その飲みやすさから日本人でもある私たちの舌に合っていて、飲みやすいと思う方が多いです。

そして、カミュのもう一つの魅力は個性的なボトルです。バカラで造られたものやゴルフボール型、樽型など様々ある中で、もっとも有名なのが「ブック」です。ブックは、その名の通り本の形をしており、ゴッホやルノアールなどの魅力的なデザインやナポレオンなど多くのシリーズがあります。同じ絵柄でも色違いなどもある為、ブランデーが飲めない方でも飾りボトルとして集めるコレクターもいらっしゃいます。

5大コニャック ヘネシー

アイルランド出身の創業者リシャール・ヘネシーは、フランスのコニャック地方に移住し、ヘネシーを設立しました。250年以上の長い歴史の間、高品質のコニャックを造り続け、そのブランドを世界に広めたと同時に、世界中のブランデーに影響を与えました。例えば、品質の違いに星の数で示す方法やカテゴリーの一つでもあるX.O.を生み出したのは、リシャール・ヘネシーのひ孫にあたる、モーリス・ヘネシーです。輸出にも早くから積極的に取り組み、1794年にはアメリカへ、1868年には日本へ輸出が始まりました。

ヘネシーは、「グランド・シャンパーニュ」「プティト・シャンパーニュ」「ボルドリー」「ファン・ボア」の4つの地区の畑を使用し、ヘネシー式と言う蒸留方法で抽出、そして樹齢100年以上のオーク樽で熟成させます。そして、貯蔵された原酒の中から最高の物だけをブレンドします。

日本で最も知名度の高いブランデー「ヘネシー」は、その高級さ故、キャバクラなどでも高級酒の代表格として知られています。

5大コニャック レミー・マルタン

ブランデーのブランドの中でも代名詞的存在の「レミー・マルタン」。その原料でもあるブドウは、6つのクリュの中でも最も質が良いグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュのみを使用した贅沢なコニャックです。

クリュとは、コニャック地方の6つに区分した土壌のことです。品質の良い順に、最上級の「クランド・シャンパーニュ」・「プティット・シャンパーニュ」「ボルドリ」「ファン・ボア」「ボン・ボア」「ボア・ゾルディネール」と分かれています。この区域の中で他の区域のブドウを混ぜていないコニャックについては、クリュ名を呼称しても良いことになっています。

レミー・マルタン社は、1724年に設立されました。現在に至るまで3世紀に渡り長い歴史を繋いでいます。カリスマ的才能を持つ若きワイン醸造家レミー・マルタンが30歳の時に広大な土地と培った知識を元にフランスのコニャック地方で創業したのが始まりまです。

蒸留の方法もレミー・マルタン方式で底に沈んだカスもろ過せずに蒸留します。樽も樹齢100~150年のリムーザン地方のオーク樽を使用すると言う徹底的なこだわりです。
芳醇なフルーツの香りとバニラの風味が口いっぱいに広がり濃厚でコクがありレミー・マルタンと言う名に相応しい贅沢な味わいです。

ブランデーの基礎知識や種類

先ほどご紹介した内容の中にも出てきた、「コニャック」「アルマニャック」などブランデーには様々な種類があります。その意味合いは、産地と言うこともご紹介させていただきましたが、それ以外の産地の物は、どのように呼ばれるかご存知ですか?中には、名前ではコニャックやアルマニャックと書かれているけど本当にそこが産地なの?など思われたかもしれません。

まず、コニャックやアルマニャックと称して良いのは、その場所で生産されたものに限ります。
これは、フランスの法律ですでに定められています。なので、同じフランスと言う国から生産されても場所が違えばコニャックやアルマニャックとは名乗れません。

ブランデーは、主に白ブドウや他のフルーツから造られますが、こちらも定められており、コニャックやアルマニャックの原料は白ブドウでなければならないので、同じ場所で製造されても原料が違えばそれもまた、名乗ることができません。製造方法も同じです。こちらも規定があり、定められています。その為、コニャックやアルマニャック以外のフランス産のブランデー(フルーツブランデー含む)は、フレンチブランデーとなります。

ランクの基準もコニャックとアルマニャック、その他のブランデーと異なります。スリースター→V.S.→V.S.O.P→ナポレオン→X.O.と言う順で熟成年数が長くなると言うことはご紹介しましたが、実はこちらの熟成年数もブランデーごとに異なります。

「コント」と言う言葉をご存知でしょうか?「コント」と言うのは、熟成年数を表す単位です。蒸留した年はコント00となり翌年の樽熟成1年目がコント0、2年目がコント1、3年目がコント2、4年目がコント3・・・となります。

コニャックの基準ですと、スリースターがコント2以上、V.S.がコント2以上(およそ4~7年)、V.S.O.Pがコント4以上(およそ7~10年)、ナポレオンがコント6以上(およそ12~15年)、X.O.がコント6以上(およそ20~25年)になります。コニャックには、X.O.より質が高い物に関してはHors d’âgeとランク付けされます。正解最高級のコニャック「ヘンリー4世」は、ここに位置付けられます。

アルマニャックの場合は、スリースターがコント1以上、V.S.がコント2以上、V.O.がコント4以上、V.S.O.Pがコント4以上(およそ5年~10年)、ナポレオンがコント5以上(およそ5年~12年)、X.O.がコント5以上(およそ20~30年)です。

それ以外のブランデーに関しましては、基準が異なりますので上記の熟成年数は当てはまりません。
今までの基準ですとコント6以上は存在しませんでしたが、2018年4月1日からコニャックのX.O.の基準が改定され、2018年4月1日以降に出荷されるコニャックX.O.はコント10に改定されます。

次に使用されるブドウや製法の違いです。コニャックで使用を認められているブドウは、ユニ・ブラン、コロンバール、フォリ・ブランシュです。10%未満であれば、フォリニャン、モンティル、セミヨン、ジュランソン・ブラン、セレクト、メスリエ・サン=フランソワも使用することが出来ます。銅製のポットスチルで単式蒸留を2回し、オーク樽で樽熟成2年以上行ったものがコニャックになります。

アルマニャックは、ユニ・ブラン、フォル・ブランシュ、コロンバールなどを含めた10種のブドウを使用することが認められていますが、アルマニャックのほとんどがユニ・ブランを使用しています。
アルマニャックは、最古のブランデーとして知られているように伝統的な製法で作られます。半連続式蒸留で造られるため、95%以上は時間をかけてゆっくり1度の蒸留で作り上げられます。
双方、伝統と品質を守るために厳しい規定が定められています。

それでは、コニャック・アルマニャック以外のブランデーも紹介したいと思います。フレンチブランデーで有名なのが、りんごを使用したフルーツブランデー「カルヴァドス」です。フランスにあるノルマンディー産のりんごを使用したブランデーです。カルヴァドスもまた、ノルマンディー地方以外で造られた場合カルヴァドスと名乗ることが出来ません。主原料はりんごですが、西洋梨も使用されることもあります。

他には、ペルー原産のブドウ果汁を蒸留した「ピスコ」やぶどうの搾りかすを使用した「ポマースブランデー」、リキュールや製菓にも使用される「キルシュ」や「フランボワーズ」、「スリヴォヴィッツ」など紹介しきれないほどの種類があり、生産国によっても様々な呼び方で呼ばれます。なので、もしブランデーが苦手と思われている方がいれば、自分の好みの味に出会っていないだけかもしれませんね。

高級ブランデーって?

高級ブランデーの特徴ですが、まずは原料の産地や畑の質が異なります。後に紹介させていただきますが、コニャックやアルマニャックと言う言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、これはフランスにあるコニャック地方とアルマニャック地方の事です。この産地であり、その中でも上質な土壌で育った原料を使用し、長年熟成されたものが高価になる傾向があります。

次に目安になるのが、等級(ランク)です。等級と言っても等級と言う意味合いではなく、熟成度を表しています。
ブランデーのボトルを見てみるとラベルにVSOPやX.O.と言う表記があるのにお気づきでしょうか?これが、等級になります。コニャックやアルマニャックは、熟成年数によって厳密に基準が定められています。両者とも基準は異なりますが、それ以外のブランデーには、この基準が当てはまりませんので注意が必要です。

スリースター→V.S.→V.S.O.P→ナポレオン→X.O.の順で熟成年数が長くなります。ただし、同じナポレオンやX.O.だとしても熟成年数は各メーカーによって異なり、その価値も変わっていきます。
高級と呼ばれるには、他にはレア度も関係してきます。上記の内容も含まれますが、貴重な原料や土壌、長期間の熟成などの理由によって作られる本数が限られてしまい、本数限定販売になったものや廃盤などのレアなブランデーは希少価値が高いので、高価買取の対象になります。

他にも、ボトルでも価値が変わって来るブランデーもあります。中にはバカラクリスタルで造られたボトルなどもあります。この様に高級ブランデーと言っても幅広いことがわかりますので、常に高価買取の定番とも言えるブランデーを紹介したいと思います。

「ヘネシー」「ルイ13世」「レミーマルタン」「カミュ」は、知名度も高いので、ブランデーと飲まない人でも1つは知っているかと思います。かなりド定番の様に思われるかもしれません。ですが、上記にも記載した通り、熟成年数やボトル、ラベル、シリーズによっても価値が変わります。安くても数万円、高価なもので数百万の値段が付く場合があります。それに加えて箱もボトルも状態が良ければそれも評価されより良い金額で買取りが出来ます。

それでは、世界で最も高価なブランデーはいくらになると思いますか?
もっとも高額なブランデーは、ヘンリー4世と言うコニャックで、そのお値段は、£1170000。日本円にするとおよそ216,450,000円になります。

思わず二度見してしまいそうな驚くべき額ですが、ボトルには金とダイヤモンドが散りばめられていてとても美しく、熟成年数も100年以上。不老不死のお酒とも噂されていて、多くの万能薬が使用されています。この様に、ブランデーは奥が深く、種類も豊富です。高級品もピンからキリまであります。

世界4大スピリッツ【ラム】

ラムといえば南米のカリブ海、海賊たちが好む、荒くれ者のお酒というイメージですね。
ところが意外にもその味の方は、そんなイメージにそぐわず非常に甘いです。

というのも、ラムはサトウキビから造られるお酒なので、その風味も自然と甘みが強くなる傾向にあります。

わたしが以前飲んだことのあるラムでも、まるでカラメルを飲んでいるのかと思うほど甘いものもありました。
ラムは甘党の人に最もオススメしたいスピリッツですね。

ちなみに大航海時代の頃には、原料となるサトウキビ農場を巡って、海賊たちの植民地争いが頻発していたとも言われていますので、 ラムに対する海賊たちのイメージは、そこから来ているのかもしれませんね。

さて、そんなラムを使ったカクテルとして、ここ最近急激に知名度をあげているのがモヒートです。
ラムにライムとミント、砂糖を加えソーダで割ったこのカクテルは、南国のイメージにもあるように、暑い夏にぴったりの清涼感溢れる飲み物です!

また、ラムの甘みはお菓子作りにもよく利用されています。
レーズンをラムに漬け込んだ、ラムレーズンなどは有名ですよね。

世界4大スピリッツ【テキーラ】

テキーラは他のスピリッツと比べるとその登場は随分と遅く、18世紀半ばごろに誕生したと言われています。

テキーラといえば、サボテンから造られるといったイメージがありますが、実際の原料は竜舌蘭という植物で、 形状としてはサボテンよりも、むしろアロエに似ています。

そんなテキーラの誕生はとても運命的。
一説には、18世紀にメキシコで大きな山火事が起こり、その焼け跡に転がる竜舌蘭から、独特の甘い香りのする汁が滲んでいることに気づいた人々が、それを蒸留してお酒を造ることを思いついた、と言われています。

そんなテキーラといえば、日本では罰ゲームとしてショットで飲まれているイメージですが、世界的ロックバンド・ローリングストーンズのミックジャガーが愛飲したことでも有名なテキーラサンライズなど、カクテルの材料として使われることも多いです。

世界4大スピリッツ【ウォッカ】

ウォッカも原料という点ではジンと同様に、大麦、じゃがいも、ライ麦などから造られています。

最も大きな違いは、蒸留した原酒を白樺の炭によってろ過させていること。
「生命の水」を意味するロシア語であるズィズネーニャ・ワダが縮まってワダ→ウォッカとなったという語源があるくらいに、 まるで水のようにまろやかでクセの少ない飲み口が特徴です。

クセが少ないため、カクテルの材料として使われることも多く、ウォッカをオレンジジュースで割った、スクリュードライバーなど、 柑橘類との相性は特に抜群です。

ちなみにウォッカの本場であるロシア人は、本当にウォッカを水のように飲むことでも有名です。
ミネラルウォーターよりもウォッカの消費量のほうが多い、なんて都市伝説もあるくらいですが、……日本人はマネをしないようにしましょうね?

世界4大スピリッツ【ジン】

ジンは大麦、じゃがいも、ライ麦などを原料として造られる蒸留酒です。

元々はオランダで薬用酒として造られていたという歴史からも分かるように、蒸留される際にネズの実(ジュニパーベリー)や、ボタニカルと呼ばれる薬草成分を加えて造られるのが、ジンの最大の特徴となっています。
ジン独特の鋭い切れ味や口内に広がる香りは、それら薬草成分由来のものです。

ちなみに、ジンという名前の語源は前述のジュニパーベリーから。
ジュニパーベリー→ジュニエーブル→ジュネーヴァと、伝わる過程でその呼び名が変化していき、最終的には、英国風に縮めて今の呼び方になったといわれています。

さて、そんなジンの飲み方としては、やはりジントニックが一番有名ではないでしょうか。
ジンをトニックウォーターで割る簡単レシピのこのカクテルは、いまや居酒屋さんでも気軽に楽しめるものになりましたね。

トニックという言葉には「活力を与える」という意味もあるようで、薬用酒であるジンとの相性は言うまでもありません。