山形県のワイナリー 庄内たがわ農業協同組合/月山ワイン山ぶどう研究所

月山ワインの誕生
「なにが大変だったって、免許をとるのが、一番苦労しました」
(旧)朝日村のユニークな点は、酒類製造の免許を取って製造の音頭をとったのが、農協であること。
なにしろ酒税法のイロハも知らずに税務署にかけあい、製造技術者がいるかと聞かれれば「どぶろく関係者がいるから」と答える具合。何回も交渉した結果、なんとか免許も取得し、「山ブンドで商売なるのか」と半信半疑の農家に坪びかけて、昭和54年に製造開始。翌年の国税局の鑑定は「良」。ここに「月山ワイン」が誕生したのである。

香り、コク、昧は、原料から
「なんぼでもある」と豪語した山ブンドだったが、いざワインとなると自生のものでは年によって精度がまちまち。で、栽培しなければ、となったが、専門家でさえ「山ぶどうの栽培など聞いたことがない」。
研修に出かけたり農家を募ったりで、試行錯誤の上、原料の生産体制を整え、現在では130ほどの農家が山ぶどうの栽培を行なっている。
ともあれ、ワインの味を決めるのは一に原料、二に管理。「山ぶどうそのもののコクをいかにひきだすか。発酵方法や酵母を変えて…そうですね、納得のできる一本ができたのは7、8年目でしょうね」と語るのは、ワイン醸造主任の赤松博美氏。もちろん「どぶろく関係者」ではなく、農芸化学専攻の専門家。月山ワイン誕生のときから醸造を担当している。
あの小さな粒に、4つも種を持つ山ぶどう。原料のうち55%しか果汁にならないという。「糖度が高く、適度な渋みがあり、適度な邑があり、粒が大きく、果汁率が高いもの…これがいい山ぶどうの条件」をめざして、改良にも取り組んでいる。
昭和55年、3,000本のロゼからはしまった月山ワインも、今では多くの方々に愛飲されています。
「酒は百薬の長といわれていますが、私たちは不老長寿の薬は月山ワインにあり、と言われるように頑張りたい」と、赤松さんは語る。

所在地 山形県鶴岡市越中山字名平3-1
電話 0235-53-2789
ホームページ http://www.gassan-wine.com/