赤ワインエキス末を1日当たり400mg(レスベラトロールとして20mg)摂取し続けたグループで血管の柔らかさの指標であるFMD値が正常値まで上昇し、12週間の赤ワインエキス末の摂取で血管の柔らかさが改善した。
血流依存性血管拡張反応(FMD)検査は、カフで腕を締めた後の血流増大によるずり応力により、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)が血管内皮からどれだけ放出されたかを診る検査。管内皮機能が低下しているとNOの産生が少なくなり、FMD値は低下する。
試験ではレスベラトロールを含有する赤ワインエキス末を用いて1日当たり20mgの低用量レスベラトロール(被験食品群)と160mgのオリゴメリックプロアントシアニジン(プラセボ群)を健常人に12週間摂取させ、検査まで12時間以上のウォッシュアウトタイムを設け、血管柔軟性および脂質代謝に対する持続的な効果を評価した。
その結果、被験食品群とプラセボ群との間でFMD値の有意差(P=0.043)が認められ、血圧の降下傾向が示された。その被験食品群のFMD値は、5.1±2.3%から6.8±2.1%と、摂取前のFMD平均値は約30%増加し、正常値目安の6.0%を超える平均6.8%へ改善した。赤ワインエキス末による血管柔軟性の持続的な改善効果ならびに血圧の改善傾向が示された。脂質代謝に関しては、被験食品群においてわずかな皮下脂肪の増加抑制の傾向が認められた。
投稿者: freshwine
赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」の効果
フランス人は肉などの飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を多く摂取しているにもかかわらず、冠状動脈性心疾患の発症が少ないことは、「フレンチパラドックス」として知られる。そのカギとなるのは赤ワインに含まれるポリフェノール「レスベラトロール」で、1990年代には赤ワインブームが起き、2000年代にはレスベラトロールが長寿遺伝子(サーチュイン)を活性化することが分かり注目を浴びた。
レスベラトロールに関しては、さまざまな研究がされているが、健常人で血管の健康効果を検証された例は少なく、また、血管の柔らかさについては、疾患者であっても瞬間的な効果だけで持続的な効果まで検証された例はなかった。
1杯のワインがあなたを魅力的に見せる
英国のブリストル大学のマーカス ムナホ教授(生物心理学)らは、学生40人を対象に実験を行った。参加者にワインを飲んでもらい顔の写真を撮った。
写真は、▽しらふのとき、▽ワインを1杯飲んだとき、▽2杯飲んだときの3回分けて撮影した。客観的に比較できるよう、撮影するときは無表情でいるよう求めた。
別の学生に写真を見せ、どれが魅力的に見えるかを尋ねた。結果は、もっとも魅力的に見えたのは「ワインを1杯飲んだとき」で、もっとも魅力的でないのは「ワインを2杯飲んだとき」だった。
「アルコールを飲むと、少量を飲んだ段階では、他人にとって魅力的に見えるようです。しかしそれは長く続かず、飲酒量が増えると魅力は失われます」と、ムナホ教授は言う。
なぜ少量のアルコールが人を魅力的に見せるのかは不明だが、「瞳孔が拡張し、筋肉が弛緩しリラックスして見えることや、頬がバラ色に染まり健康的に見えることが影響している可能性がある」という。
ただし、今回の研究は「アルコールが健康に良いことを示すものではない」と付け加えている。「アルコールを飲む過ぎると、見た目にも他人に悪い印象を与えるおそれがあることを肝に銘じた方が良いでしょう」と、ムナホ教授は説明している。
アルコールを飲むとコミュニケーションが円滑に進むことがあるが、今回の研究はその理由の一端を説明するものだとしている。
アルコールを適度に飲むとうつ病の発症が減少
この研究は、地中海ダイエットが心臓病を予防する効果を調べることを目的とした大規模研究「PREDIMED」の一環として行われた。PREDIMEDは、スペインの7地域で16の研究グループによって2003年に開始された。
研究チームは、55~80歳の男女5,505人を、平均7年間追跡して調査した。調査終了時点で443人がうつ病を発症した。
解析した結果、うつ病の発症がもっとも少なかったのは、アルコールを適度に飲んでいる人だったことが判明した。純アルコールに換算して1日に5~15gを飲んだ人では、まったく飲まない人に比べ、うつ病の発症が28%低下していた。
うつ病の予防効果の高いのはワインであることも分かった。ワインを週に2~7杯飲んでいた人では、うつ病の発症が32%低下していた。小さめのグラスのワイン1杯に、およそ9gの純アルコールが含まれる。
「適度な飲酒であれば、むしろうつ病の予防に効果があるという結果になりました。なぜそうなるのかは不明の点が多いのですが、適度な飲酒は動脈硬化を抑え、血管の炎症を予防する効果があるとみられます」と、スペインのナバラ大学のミゲル マルティネス ゴンザレス博士(予防医学、公衆衛生学)は話す。
赤ワインのポリフェノールが血管の健康を守る
フランス人は、飽和脂肪酸の多いチーズやバター、肉をたくさんとっているので、他国よりも心疾患の患者が多いと予想されるが、実際には他の欧州諸国よりも少ないことが知られている。これは「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」と呼ばれている。
その要因は、フランス人は毎日の食事とともに赤ワインを飲んでいることだ。赤ワインを適度に飲むと、血管や体の老化を防ぎ、高血圧や動脈硬化の予防に役立つとされている。
なぜ赤ワインが体によいのか。その謎は最近になって解明された。それは、赤ワインに含まれるポリフェノールの作用だ。ポリフェノールは、加齢による血管の内皮機能と運動能力の低下を遅らせる。
赤ワインにはアルコールが含まれる。アルコールは血圧を下げる作用を、むしろ邪魔しているようだ。赤ワインよりも、ノンアルコール赤ワインを飲んだ方が、血圧降下作用は大きいという。
スペイン・バルセロナ大学の研究では、糖尿病または心臓血管リスクを3つ以上もつ男性67人を対象に、全員が共通の食事をとることに加え、毎日赤ワイン283g(10オンス)、ノンアルコール赤ワイン283g(10オンス)、ジン85g(3オンス)のいずれかを4週間飲み続けてもらった。
次に飲み物の種類を変え、最終的に全員が3種類全ての飲み物を4週ずつ飲むようにした。なお、赤ワイン、ノンアルコール赤ワインはいずれも同量のポリフェノールと酸化防止剤を含有するようにした。
その結果、赤ワインを飲んだ場合の血圧降下の度合いは小さく、ジンでは変化がなかった。一方で、ノンアルコールの赤ワインでは収縮期血圧が6mmHg、拡張期血圧が2mmHg低下していた。これにより、心臓病リスクを14%、脳卒中リスクを20%低下するという。
ノンアルコールの赤ワインに含まれるポリフェノールは酸化ストレスを低減して、内皮型一酸化窒素を増やして血管の弛緩を助け、より多くの血液が心臓などの臓器に運べるようにする働きがある。
「ポリフェノールには、加齢による血管の内皮機能不全と身体機能の低下を防ぐ効果がある。収縮期および拡張期の血圧を低下させるのにも役立つようだ」と研究者は述べている。
赤ワインに含まれるアルコールは、血圧降下の妨げとなるようだが、ポリフェノールはノンアルコールワインにも含まれている。ノンアルコールの赤ワインを飲むことを習慣化すると有益ではないか、と研究者は結んでいる。
ワインを飲むと体調子が悪くなる
ワインを飲むと、頭痛や胃痛、ぜんそくを起こしたりすく方がいます。実は、ワインなどの醸造酒には、作る過程での殺菌効果や酸化を防ぐための酸化防止剤として亜硫酸塩が配合されています。そして、そこから発生する亜硫酸ガスが、頭痛や胃痛、ぜんそくを起こすもとになっているのです。もちろん、すべての人に、このような症状が起こるわけではなく、ごくまれに亜硫酸ガスに対する感受性の強い人だけが反応してしまうことがあります。
亜硫酸ガスと聞くと体に悪いイメージを感じてしまいそうですが、ワインには抜群の健康効果があるのを知っていますか?「毎日飲んでも大丈夫?赤ワインの効果とは」で詳しく書いていますが、ワインには女性にとってはうれしい効果がいっぱいあります。
一方、ごくまれですが、アルコールに対するアレルギーを持っている人もいます。アルコールが肝臓で代謝されてできる物質が気管支粘膜の毛細血管を刺激し、ぜんそくを誘発するというもので、「アルコール誘発ぜんそく」と呼ばれています。ただし、この場合はワインだけでなく、アルコールすべてに同じ反応を示します。
赤ワインのカルシウムとマグネシウム
マグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウム、そして鉄など、赤ワインにはさまざまな必須ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。特に、ここで女性に注目していただきたいのが、カルシウムとマグネシウムです。
女性の体は女性ホルモンが減少すると、骨量が不足して骨密度が低下します。そして骨組しよう症などを招いてしまいます。そこで、カルシウムがとても重要になるのです。
カルシウムを効果的に吸収するには、マグネシウムを一緒に摂ることが大切です。その点、赤ワインにはカルシウムとマグネシウムがほぼ同じ割合で、バランスよく含まれています。このミネラルバランスのおかげで、赤ワインのカルシウムは効率的に体内に吸収されるのです。
赤ワインでアンチエイジング
ワインの原料となるブドウの実は、ブドウの木が長い年月をかけて土中深くに根を張り、地下水をくみ上げてできるものです。その地下水には、ミネラルをはじめ、ビタミン、有機酸、タンパク質、ブドウ糖などが豊富に含まれています。そのおかげで、ブドウの実にはさまざまな栄養素が含まれています。そのブドウを原料とするワインには、およそ250種類以上もの成分が含まれているといわれています。
その中でも、果皮と種子を取り除かずに一次発酵させる赤ワインには、強力な抗酸化力をもつ果皮のアントシアニン、種子の力テキンなど、天然の抗酸化物質、ポリフェノール類が大量に含まれています。
抗酸化物質とは、わたしたちのカラダを酸化(サビ)から守り、老化から守ってくれるもので、赤ワインに多く含まれるポリフェノールは、強力な抗酸化作用を持っています。つまりは、赤ワインには老化防止のアンチエイジング効果があるというわけです。
ワインカクテル 「ローズ」
氷を入れたミキシング・グラスでドライ・ベルモット(40ml)、キルシュワッサー、ラズベリー・シロップ(ティースプーン1杯分)を軽くかき混ぜて、カクテル・グラスに注ぎます。
カクテルの色はまさに薔薇色で、ラズベリーを含んださっぱりとした味わいとフルーティーな香りが魅力です。アルコール度数は約20度と高め。
ワインカクテル 「ベルモット・アンド・カシス」
ドライ・ベルモット(約60ml)とクレーム・ド・カシス(15ml)をタンブラーに入れて、ソーダ(適量)を注ぎ、軽くかき混ぜます。
フルーティーな甘酸っぱさがほどよく、フランスでは食前酒として親しまれています。アルコール度数は約13度になります。