ワイン用語 レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート

ポルトガルでつくられるポートワインの区分の中には、「ルビー・ポート」というタイプがある。レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート(L.B.V:Late Bottled Vintage Port)とは、ルビー・ポートの中でもスペシャルタイプのワインのこと。一般的に、LBVと略される。

ヴィンテージ・ポートの場合、ぶどうの収穫より2年間の7月1日から6月30日の間に瓶詰め作業が行われる。一方、レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポートの場合、4~6年の樽熟成を経てから瓶詰め作業が行われることになる。

ヴィンテージ・ポートと比べ、瓶詰めのタイミングが遅くなるものの、酸素に触れることができる樽内で過ごす時間が長くなるため、熟成が比較的早く進行し、瓶詰めをしてから飲み頃となるまでの期間が短くて済むメリットがある。

ヴィンテージ・ポートと比べ、瓶内熟成の期間が短いことで保管コストが削減できるため、比較的安価に入手できる。

ワイン用語 レーマー型グラス

レーマー型グラスとは、ワイングラスの種類の1つで、ドイツのライン地方やモーゼル地方で使用されているグラス。

ワインを最大限に楽しむため、それぞれのワインの特徴に応じたワイングラスがある。ワイン全般にある程度対応できる「万能型」と言われるグラスのほかに、ボルドー・グラス、ブルゴーニュ・グラス、シャンパン・グラス、シェリー・グラス、レーマー型グラスがある。

レーマー型グラス(Römer Glass)は、足が太く安定感があり、デザインが施されている。

ワイン用語 ルビー・ポート

ルビーポートとは、酒精強化ワインであるポートワインの一種です。
ルビーポートは若い赤ワインのような濃いガーネット色の若々しい色をしています。
黒ぶどう品種のぶどうを使い、平均3年の樽熟成を行った後に瓶詰めを行い、酸化させないことが特徴です。
基本的には、甘口です。

ワイン用語 ランシオ

ランシオとは、意図的に太陽熱にさらした樽の中で長期熟成をさせることで、特殊な色を酸化の風味が与えられたワインのタイプを指します。

フォーティファイドワインである「マデイラ」で有名な技法であり、その他シェリーやV.D.N、V.D.Lなどでも風味を出すために用いられる技法です。

ワイン用語 ラベル

ラベルとは、ワインの瓶に貼り付けられていて、ワインの銘柄や産地、ヴィンテージ(ぶどう収穫年)、ぶどうの種類、アルコール度数、格付けなど、そのワインに関する情報が表示されているもの。

ラベルの表示内容は、国や地域によって異なるが、ワインの銘柄とヴィンテージは必ず表示されている。その年のぶどうの良し悪しがワインの出来に直結しているため、ヴィンテージは、ワインの当たり年を見る基準となるためだ。

ワイン生産国では、ラベルに表示しなければならない項目を定めている国もある。

フランスでは、A.O.C.に認定されたワインの場合、原産地名称、フランス産、原産地統制呼称名、瓶詰め元(生産者)名、瓶詰めした場所の住所、内容量、アルコール度数の表示が義務付けられている。

イタリアでは、格付け、瓶詰めした町の名称、ぶどうの産地、アルコール度数、イタリア産、内容量の表示が義務付けられている。

ワイン用語 ライトボディ

ライトボディ(Light Body)とは、赤ワインの中でもっとも軽く、アルコール度数が低めで、酸味のあるワインを指す。

一般的に白ワインは「甘口」と「辛口」に分かれるが、赤ワインはそのほとんどが「辛口」であるため、コクや味わいの豊かさ(ボディ)によって分類される。

コクや味わいの強い方から「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」と呼ばれる。

フルボディの対極にあるライトボディは、コクや渋味が軽い分、品種の持つフレッシュでフルーティーな香りや軽快な口当たりが特徴とされている。

そのため、ワイン初心者や赤ワイン特有のコクや渋味が苦手な人にもお勧めできるワインと言える。

また、ライトボディは低価格帯のものやテーブルワインが多いことから、日常的に気軽に楽しめるワインとして人気が高い。一方で、リーズナブルなものばかりでなく上質なライトボディも存在する。

ワイン用語 モノポール

モノポール(monopole)とは、単独のワイン生産者(農家やワイン会社などを含む)により、所有管理されている単一地所にある所有畑のこと。

モノポールで生産したワインには、エチケットに「monopole」「seul proprietaire」などと明記されることがある。特に、フランス・ブルゴーニュ地方のワインに、「monopole」表記のエチケットが多いと言われている。

フランスでは、均等分割相続が定められたナポレオン法典の影響で、所有するぶどう畑が細かく分割されている。そのため、単独所有される畑は珍しいとされ、モノポールワインは希少性が高いとされている。

モノポールはワイン製造が1つの組織で完結するために、生産者のワインへの考え方が如実に現れ、議論の対象となることが多い。

ワイン用語 メドック格付け

メドック地区の格付けとは?

ワインにあまり興味がない人でも「5大シャトー」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
この5大シャトーとは、フランス・ボルドーのメドック地区で定められている格付けで、第一級とされている5つのシャトーのことを指します。

それでは、そもそも何故メドック地区ではこのようなシャトーの格付けを行ったのでしょうか。
ここで少しボルドーの歴史を紐解いていきましょう。

格付けのきっかけ

メドック地区の格付けが行われたのは、1855年のパリ万博が大きく影響しています。

フランスといえばワイン産業が有名で、世界各国からワインを楽しみにしてたくさんの客が訪れることになります。
しかし、昔は現在のように情報収集の手段が充実していません。
外国から来た客が、良いワインとそうでないワインを分かりやすく選べるようにしなければならないとフランスは考えました。

そこでナポレオン3世がボルドーの商工会議所に命令をして作らせたのが「メドック地区の格付け」です。
これは、当時の名声や流通価格をもとに定められました。

何故、メドック地区だけなのか?

しかし何故、メドック地区だけが対象なのでしょうか。
その理由は諸説ありますが、当時外国に輸出されていたボルドーの赤ワインのほとんどが、メドック地区のワインであったためと言われています
この他、ソーテルヌ・バルサック地区の甘口ワインも輸出が盛んであったため、この地区も格付け対象となっています。

格付け1一級のシャトー

格付けは、第1級から第五級までの5段階で構成されています。
1855年の格付け当時、第一級とされたのは、「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ラトゥール」「シャトー・オー・ブリオン」の4銘柄でした。

このうち「シャトー・オー・ブリオン」だけは、メドック地区ではなくグラーヴ地区のペサック・レオニャンに位置していましたが、17世紀にはすでに名声が高かったために、例外的に選ばれました。

格付けが更新された例外

その後格付けは例外を除いて約150年も変わらず、格付けは変わらぬまま100年以上の時間が過ぎますが、1973年にワイン史の中でも特に重要な出来事が起きます。

それが、「シャトー・ムートン・ロートシルト」の第1級への昇格です。
後にも先にも、メドック地区の格付けに変更があったのは、この1回のみです。

こうして、現在の5大シャトーが生まれたのです。

ワイン用語 ミネラル感

ミネラル感とは、ワインの味わいの表現方法の一種として使われるワイン用語。一般的には、ワインが心地よい味わいであって、フレッシュさを感じさせる場合に使われている。

「ミネラル感」と言ったときに、具体的には明確に何を指して使われるかははっきりと定義しづらくなっているが、白ワインの特性を表現する場合に使用されることが多い。

香りとしては、火打石や雨上がりの土、インク、鉛筆の芯、ナフリタン、味わいとしては、酸、苦み、塩気などを感じる場合に「ミネラル感」という表現が用いられる。

ミネラルを感じさせる要因として、ウドンコ病を予防するためにぶどう畑に散布される「イオウ」の硫化物臭や、全房発酵、シュル・リー、バトナージュの際にもたらされるチオール化合物がミネラル風味になるなど、さまざまな意見がある。

ワイン用語 ミディアムボディ

ミディアムボディ(Medium body)とは、フルボディとライトボディの中間に位置する、中程度のコク、味わいのある赤ワインを指す。

一般的に白ワインは「甘口」と「辛口」に分かれるが、赤ワインはそのほとんどが「辛口」。このため、コクや味わいの豊かさ(ボディ)によって分類される。コクや味わいの強い方から「フルボディ」「ミディアムボディ」「ライトボディ」と呼ばれる。

中間のミディアムボディは程よいコクがあり、ワインを飲み慣れていないワイン初心者や、タンニン(渋味)が強いものが苦手という人にもトライしやすいワインとされている。

また、さまざまな食事やシーンに合わせやすいことから、最近では、肉じゃがや焼鳥などこってりとした和食や、パスタなどのイタリアンにミディアムボディを選ぶ人も多い。

フランスではハムやソーセージ、パテなどの前菜に合わせることも多く、万能なワインとして人気が高い。