ワイン用語 ドイツのワイン法

ドイツのワイン法の変更
ドイツのワイン法では、品質分類はターフェルヴァイン、ラントヴァイン、クヴァリテーツヴァイン、プレディカーツヴァインの4分類でした。
しかし、2008年のEUにおいての新ワイン法の導入に伴い、EU各国と同様にそのルールが変更されることになります。

そして、EUの基準に合わせて、大きく地理的表示のないワインと、地理的表示のあるワインの2つに分類されました。
これにより、地理的表記のないワインである「ターフェルワイン」という表記がなくなり、ドイツのワインという意味である「ドイチャーヴァイン」という新しい表記に統一されました。

2つの品質分類:g.g.Aとg.U.
そして、フランスのI.G.P.とA.O.C.と同様に、地理的表示付きワインは2つのカテゴリに分けられることになります。
I.G.P.に当たるカテゴリが保護地域名呼称の略称である「g.g.A」です。
一方で、A.O.C.に当たるさらに基準が厳しいカテゴリが保護伝統表記付きワインの略称である「g.U」です。

この中で「g.g.A」に属する品質分類として、「ラントヴァイン」があります。
そして「g.U」に属するカテゴリの中に「クヴァリテーツヴァイン」、最も品質が高いとされる「プレディカーツヴァイン」と2つの分類があります。
6つの格付け
さらにこの「プレディカーツヴァイン」のワインは、収穫時のぶどうの糖度から6つの格付けがあります。
格付けはぶどうの糖度が低い方から順番に以下のとおりです。

1、カビネット
2、シュペートレーゼ
3、アウスレーゼ
4,ベーレンアウスレーゼ
5、アイスヴァイン
6、トロッケンベーレンアウスレーゼ

このドイツの新ワイン法は2009年8月1日に発表され、2009年ヴィンテージから適用されています。
2011年までは古い表記と新表記の混在が認められていましたが、2012年からは新表記のみしか認められません。

ドイツワインのほとんどが原産地呼称ワイン
かなり複雑なドイツのワイン法ですが、このうち「ドイチャーヴァイン」と「ラントヴァイン」はあまり気にする必要はありません。
なぜなら、この2つのカテゴリをあわせても、ドイツ全体のワイン総生産の3%しか占めていません。
その理由は、ドイツは非常に険しい立地にぶどう畑が広がっているため、機械による収穫ができないため大量生産ができないためです。

ワイン用語 テロワール

テロワール(Terroir)とは、フランス語で「土地」を意味する言葉で、ワインの味を決める要素として重要視されている大切な考え方です。。

ぶどうに関わらず、多くの農作物は土壌によってその品質が大きく左右されます。
優れた農作物を生むのは、優れた土壌であることは、農業の常です。

その中でもワインは、特に土壌の影響を受けやすい果物と言われています。
ワインには、どんな栽培・製造をしようとも、決して隠せない個性があり、それこそがテロワールがワインに与える個性であるのです。

ワインにおけるテロワールの受容性は、昔から認められており、人為的に日当たりを良くしたり、水はけをよくしたりする試みも活発です。

しかし、人間が決して自然には敵わないのと同じように、いくら人工的に土壌をコントロールしようとも、もともと優れた力を持ったテロワールには決して適わないのが現状です。

フランスを初めとしたワイン生産国で、地域・畑による格付け(AOC)の規制があるのも、このためです。

テロワールを感じるためには、同じ生産者の異なる畑のワインを選ぶのが、最も効果的です。
テロワールを嗅ぎ取ることはかなり難しいことではありますが、一度そんなことを意識して飲んでみると楽しいかもしれません。

ワイン用語 デザートワイン

デザートワイン(Dessert Wines)とは、食後に提供される甘口のワインのこと。シェリーやポート、コニャックなど、甘口のフォーティファイド・ワインなどが一般的とされているが、デザートワインに特別な定義はない。

デザートワインに使われるワインは、ぶどうを発酵させるイーストが全糖分をアルコールに変化させる前に、純粋アルコール添加することでぶどうの甘みを濃縮させる酒精強化ワインと、自然の醸造方法を利用したワインの大きく2つの製造方法に分かれている。

 

デキャンタージュのコツ

デキャンタージュをする際の注意点は、ワインを乱暴に泡立てないことです。
ワインはとても繊細なものですので、ドボドボとワインを移し変えてしまうと、本来の風味自体が壊れてしまいます。
静かに、繊細に、移し変えるようにしましょう。

デキャンタージュは、あの人気ワイン漫画「神の雫」第1話の冒頭で、ワインの奥深さを描写する場面として描かれています。

ワイン用語 ワインの澱を取り除く

長期間熟成された古いワインを飲むときにもこのデキャンタージュは行われます。
この場合はワインを開かせるためではなく、ワインのボトルに沈殿した澱を取り除くことを目的とします。

ワインは長い間熟成されるなかで、酵母の死骸である「澱」がワインの中に生まれて沈殿します。
この澱は体には無害ですが、澱がグラスに混ざってしまうと、外観的にも舌触りとしてもワインを楽しむ際にはあまりよいものではありません。

そのため、長期間熟成した澱がボトル内に沈殿しているワインを飲む場合は、デキャンタージュをすることが多いです。

なお、デキャンタージュで澱を綺麗に取り除くためには、飲む1週間ほど前にはボトルを立てておいて、澱をボトルの下部に沈殿させておく必要があります。

ワイン用語 ワインを開かせる

まだ飲み頃を迎えていない若いワインを抜栓した場合、開けたばかりでは香りが乏しく、ワインの味わいも固く果実味が感じられないことがよくあります。
このことを、ワインが「閉じている」と表現します。

このような閉じているワインは空気に触れることで、徐々にその本来の香りや味わいが表に出てきます。
このことをワインが「開く」と言います。
デキャンタージュの目的の1つが、このワインを開かせるためのものです。

特に長期熟成型のワインを飲み頃よりも早く開けた場合、ワインを開かせるには長い時間が必要です。
そんなときに、少しでもワインを開かせる時間を短縮するためのテクニックとしてデキャンタージュがあります。

ワインボトルからデキャンタに移し変えることで、多くの空気とワインを触れさせることができ、より短時間でワインの本来のポテンシャルを引き出すことができます。

これも、体感してみることが一番ですので、ボトルにいれたままのワインと、デキャンタージュをしたワインを飲み比べてみてください。
面白いほどの違いを感じることができると思います。

特にワインをみんなで持ち寄るときのワインパーティーなどでは、ワインを開かせる時間がないため、デキャンタージュは重要です。
家飲みするときも重宝するため、デキャンタを1つくらいは常備しておいてもいいかもしれません。

ワイン用語 デイリーワイン

デイリーワイン(Daily Wine)とは、その名の通り毎日飲むのに相応しいワインを指す俗称です。
基本的に、価格帯が1,000円~3,000円くらいのワインのことを指しますが、明確な定義はありません。

一般的に高品質とされているワインも確かに素晴らしいですが、ワインの基本はやはりデイリーワインです。

ワイン用語 テイスティング

テイスティング(tasting)とは、ワインを試飲して、ワインの味や香り、色などをチェックすること。一般にレストランなどで行うワインテイスティングは、ワインに劣化・腐敗が無いかどうかを確認する行為とされている。

ワインが輸送中や保存状態の関係で劣化していたり、コルクが原因となって品質に支障をきたしていないかなど、レストランの利用客などに出す前に、テイスティングによってワインの品質をチェックするわけだ。

テイスティングの手順としては、テーブルクロスなどの白いものを背景にして、異物などがないか色を確認してから、グラスに鼻を近づけて異臭を確認。最後に一口、ワインを口に含み、味に異常がないかを確認する。

ワイン用語 テーブルワイン

テーブルワインとは、一般的に日常消費用に造られたワインの総称として用いられる言葉です。
ワインに産地名の記載がない、またはごく大まかな地名がついているだけのようなワインが、これに該当します。

日本に輸入されるほとんどのワインがAOCの産地呼称が認められたワインになりますが、フランスにおけるテーブルワインの生産量は、実に7割にも上ります。