ワイン用語 ヴィン・サント

ヴィン・サント(Vin Santo)とは、イタリア・トスカーナ地方の代表的な食後酒のこと。「聖なるワイン」と呼ばれ、イタリアで最も希少で高価なデザートワインとして、世界的に有名だ。

ヴィン・サントは、トレッビアーノ種、マルヴァジア種などのイタリア原産種のぶどうを使用しており、糖度が凝縮したものを醸造発酵した後、小さい樽で3年以上熟成している。ヴィン・サントの中でも、8年以上にわたって樽内熟成されたワインは「オッキオ・ディ・ぺルニーチェ」と呼ばれ、幻のワインとして希少価値が高い。

基本的にイタリア中部のトスカーナ地方とウンブリア州の一部で生産されており、キャンティ、キャンティ・クラシッコ、キャンティ・ルフィーナ、カルミニャーノ、モンテプルチャーノなどがDOC認定を受けている。

ワイン用語 ヴィティス・ヴィニフェラ種

ヴィティス・ヴィニフェラ種(Vitis Vinifera)とは、ワイン用に使われるヨーロッパ品種のワイン用ぶどうの学名です。

ぶどうの樹には、ヨーロッパ系のヴィティス・ヴィニフェラ種以外でもアメリカ品種やアジア品種など、多くありますが、おいしいワインを生み出す品種はほぼ例外なくこのヴィティス・ヴィニフェラ種です。

そのため、現在では世界中のワイン生産者がこのヴィティス・ヴィニフェラ種を植えており、ヴィティス・ヴィニフェラ種以外でワインを作っている生産者は稀となっています。

ワイン用語 ヴィエイユ・ヴィーニ

ヴィエイユ・ヴィーニュ(Vieille Vigne)とは、フランス語で「樹齢の高い古木」を意味する言葉で、樹齢の高いブドウから造られたワインに表記されます。
略してV.V.とも表記されることもあります。

ブドウの樹は若いほど結実が安定せず、樹齢を重ねるごとに安定してきます。
また、樹齢を重ねるほどに、ブドウの房の数が減るため栄養分が凝縮された果実を結びます。
また、明確な科学的な根拠はありませんが、一般的に若い木から作られるワインよりも、味わいが深く複雑味があるワインとなると言われています。

ワイン用語 ヴァンダンジュ・タルディブ

ヴァンダンジュ・タルディブ(Vendanges Tardives)とは、フランスのアルザス地方で認められてる甘口ワインのラベル表記のこと。

ヴァンダンジュ・タルディブとはもともと、「遅摘み」を意味する言葉だ。ヴァンダンジュ・タルディブのラベル表記は、AOCアルザスとアルザス・グラン・クリュだけに認められている。フランスの全てのAOCの中でも、特に厳しい部類の審査をくぐり抜けた上質なワインであることの証明となっている。

ヴァンダンジュ・タルディブは、ゲヴルツトラミネール、ピノ・グリ、リースリング、ミュスカという4種類のぶどう品種のうち、いずれかの品種でつくる必要がある。一般的なぶどうの収穫開始の数週間後に、ヴァンダンジュ・タルディブ向けのぶどうの収穫が開始される。

ワイン用語 ヴァン・ド・ペイ

ヴァン・ド・ペイとは、2009年までのフランスのワイン法におけるワイン格付けの1つで、Vin-de-PaysあるいはV.D.P.と表示される。

2009年までのフランスのワイン法では、ワインを上位からA.O.C. (原産地呼称統制)、V.D.Q.S. (原産地名称上質指定ワイン)、Vin de Pays (ヴァン・ド・ペイ、V.D.P.)、Vin de Table (ヴァン・ド・ターブル、V.D.T.)の4段階に格付けしていた。

2008年にEU のワイン法が改正され、それに伴い、フランスのワイン法も2009年に改正さたため、現在、ヴァン・ド・ペイという格付けは存在しない。ワイン法改正後、フランスではワインをA.O.P.、I.G.P.、地理的表示のないワインに分類している。

ワイン用語 ヴァン・ド・ターブル

ヴァン・ド・ターブルとは、2008年までのEUのワイン法におけるワイン格付けの1つで、一般消費用のテーブルワインを示す。Vin de TableあるいはV.D.T.と表示される。また、2009年までのフランスのワイン法におけるワイン格付けの1つでもある。

2008年までのEUのワイン法では、ワインを上級ワインであるV.Q.P.R.D.(指定地域優良ワイン)と一般消費用のテーブルワインであるV.D.T. (ヴァン・ド・ターブル)の2つに分類していた。

2009年までのフランスのワイン法では、ワインを上位からA.O.C. (原産地呼称統制)、V.D.Q.S. (原産地名称上質指定ワイン)、Vin de Pays (ヴァン・ド・ペイ、V.D.P.)、Vin de Table (ヴァン・ド・ターブル、V.D.T.)の4段階に格付けしていた。

ワイン用語 ヴァラエタルワイン

ヴァラエタルワインとは、ワインのラベルにぶどうの品種名が表示されたワインのこと。Varietal_wineと綴る。ワインのニューワールド(ワインの新興国)で多く見られる。

フランスではワイン法により、その土地で使用できるぶどう品種や製法が決まっているこのため、地名を表示すればぶどう品種が分かるとされている。こうした理由から、ラベルには地名だけが表示され、ぶどう品種名は表示されていないのが一般的。

しかし一般の人々が必ずしもそうした知識を持っているわけではないため、わかりにくい、とうい声もあった。

そうした中、アメリカのカリフォルニアで、ワインに精通していない消費者にも分かりやすいように、ぶどう品種名を表示したワインが現れた。それが、ヴァラエタルワインと呼ばれるようになり、分かりやすさから人気が出た。

ワイン用語 ヴァイングート

ヴァイングートとは、オーストリアで、ぶどうの栽培からワインづくりまでを行うワイン生産者を指す。
ヴァイングートは、Weingutと綴り、いわゆるワイナリーを意味する。自己所有している畑の面積を上回らなければ、借りた畑を使用して栽培したぶどうでも良いとされている。

オーストリアでは、白ワインが多く生産されており、ワイン生産量の7割を占める。グリューナー・ヴェルトリーナー種を原料としたものが多い。
また、デザートワインもつくられていて、ノイジードル湖周辺の貴腐ワインが有名。

近年、赤ワインの生産も増えてきており、現在はワイン生産量の3割を占めるまでになった。ブラウフレンキッシュ種やピノ・ノワール種、オーストリアで品種改良されたツヴァイゲルト種が主として使用されている。

オーストリアでは、1990年代以降、オーガニック農法が広がり、現在では農地の2割がオーガニック農地となっている。

ワイン用語 ヴァイスヴァイン(Weisswein)とは?

ドイツでは、赤ワインよりも白ワインが多くつくられていて、ワイン生産量の半分以上を白ワインが占めている。ドイツのワイン法では、ぶどうの熟成度と糖度によってワインの格付けが行われているため、等級が上がるにつれて、甘口でボリューム感のあるワインになる。

通常、白ワインは白ぶどう品種からつくられる。ぶどうの実を軽く潰した後、すぐに皮や種子を取り除き、アルコール発酵を行う。そのため、ぶどうの色素や苦味が少なく、初心者でも飲みやすいと言われている。若いワインほど色が透明で、熟成されるほど色が濃くなる。

ボルドー五大シャトー(醸造所)

シャトー・ラフィット・ロスシルド

ボルドー五大シャトーの筆頭ともいえるシャトー。世界最高峰の名に恥じないその圧倒的なエレガンス は、他に類を見ません。

シャトー・マルゴー

“フランスワインの女王”と呼ばれるボルドー・メドック地区 の中でも、最も女性的とされるワイン。ヘミングウェイがこよ なく愛したことでも知られ、日本でも小説「失楽園」で有名になりました。

シャトー・ラトゥール

“不作知らず”とも呼ばれるほど安定したワインを作り出しているシャトー。エチケット(ラベル)に描かれている“塔”は、15世紀に土地を所有していたイギリス人が、海賊の攻撃から身を守るために築いたもの。

シャトー・オー・ブリオン

ボルドー最古の歴史を誇り、唯一メドック地区以外から選ばれたシャトー。1814年のウィーン会議での晩餐会でもてなされ、“フランスを救った救世主”とまで呼ばれ たワインです。

シャトー・ムートン・ロスシルド

1973年の格付けで、第二級から一級へと昇格したシャトー。毎年その時代の著名画家に描かせているエチケット(ラベル)は、コレクターにも人気です。