ワイン用語 アロマ

アロマ(aroma)とは、ぶどう本来の香りと発酵段階で生まれる香りのこと。

アロマは、第1アロマ、第2アロマ、第3アロマの3つに分けられる。第1アロマはぶどう本来の香り、第2アロマは発酵過程で生成された香り、第3アロマは熟成期に生成された香り。このうち、第1と第2アロマが「アロマ」、第3アロマが「ブーケ」と称される。

アロマとブーケはよく混同されるが、アロマはワインをつくる過程で生まれる香りで、ブーケは若いワインを樽の中で熟成させる間に生まれる香りとなる。

毎年11月の第3木曜日に解禁されるボジョレー・ヌーヴォーは、熟成させない若飲みタイプなのでブーケをほとんど感じられない。

アロマを楽しむには、ワインをグラスに注いだときに立ちのぼる香りを味わう。一方、ブーケを楽しむには、グラスに注いだワインを大きく揺らし、空気に多く触れることで立ちのぼってくる香りを味わうのが良い。

ワイン用語 アラン・ユドロ・ノエラ

アラン・ユドロ・ノエラ(alain-hudelot-noellat)とは、フランスのブルゴーニュ地方に位置するヴージョ村を本拠地とするドメーヌ。

ドメーヌは、細分化されたぶどう畑を分割所有し、ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまでを行うワイン生産者。1964年にアラン・ユドロ氏が、妻のオディール氏とともにヴージョでワインづくりを始めたのが、アラン・ユドロ・ノエラの始まり。

妻のオディール氏はブルゴーニュ屈指のドメーヌと称されたシャルル・ノエラ氏の孫娘。1978年に祖父の所有畑の4分の1を受け継いだことにより、アラン・ユドロ・ノエラの基礎を確立した。

現在は、孫のシャルル・ヴァン・カネット氏が跡を継ぎ、ワインづくりを行っている。祖父同様その評価は高く、星付きレストランで取り合いになるほどのワインをつくり出している。また、カネット氏は、ビオディナミック農法にも関心があり、太陰暦を基にしたカレンダーを使用してぶどう栽培を行うこともある。

ワイン用語 アモンティリャード

アモンティリャード(Amontillado)とは、シェリーの種類の1つ。
シェリーは、スペイン南部のアンダルシア州カディス県に位置するヘレス市とその周辺でつくられているフォーティファイドワイン。世界3大フォーティファイドワインの1つに数えられる。

シェリーは、「フィノ」、「マンサニージャ」、「アモンティリャード」、「オロロソ」の4種類に大きく分けられる。この4種類は、パロミノ種というぶどうを使用している。発酵前までの工程はまったく同じだが、気候や添加するアルコールの量などの違いで、色や味わいが異なる。

フィノは、発酵時に酵母に覆われ、あまり空気に触れない。そのため、色は透明で、独特の風味を持つ。マンサニージャは、サンルーカル・デ・バラメダという町でのみつくられるフィノタイプのシェリー。オロロソは、発酵の過程で酵母が発生しなかった、あるいは意図的に付けなかったシェリー。通年空気に触れるため、酸化熟成される。

アモンティリャードは、フィノに存在する酵母が無くなった、あるいは意図的に無くしたシェリー。フィノより空気に触れる時間が長いため、酸化熟成が進み、琥珀色や褐色をしている。フィノとオロロソの中間のシェリーと言われている。

ワイン用語 アマローネ

アマローネ(Amarone)とは、イタリアのヴェネト州ヴェローナ近郊に位置するヴァルポリチェッラ地区でつくられる伝統的なワイン。

アマローネは、収穫した後に厳選したぶどうの粒を、陰干し(アパッシメント)してからつくるワインで、ヴァルボリチェッラ地区で醸造されたものしか、アマローネと呼ばれない。

通常、10月頃に完熟したぶどうを手で収穫し、質の高いぶどうの粒だけを選び、風通しの良い専用の部屋で2〜6か月の間陰干しする。その後、2年以上の樽熟成、6か月以上の瓶熟成を経て、アマローネとして世に出る。

アマローネは、DOC(統制原産地呼称)ワインのため、陰干し期間、樽熟成期間、瓶熟成期間、イタリア固有品種の使用など、さまざまな規定がある。

ワイン用語 アペラシオン

アペラシオン(Appellation)とは、フランスにおける法律に基づいたワインの原産地を示す呼称のこと。

フランスには、EU法でのVQPRDに当たるAOC(原産地呼称統制法)とVDQS(上質指定ワイン)という2つの法律があり、アペラシオンはAOCの“A”に該当する。

ワインは、土地の土壌や気候、醸造方法などによって個性が大きく異なるため、そのワインの出目は極めて重要な要素とされている。

世界のワイン名産地では、産地名を表記するために厳しい法律が定められている。フランスのAOCの場合、使用するぶどうの産地、生産地域、最大収穫量、アルコール分、生産方法、醸造方法などが厳しく法律で定められ、その規定を満たしたワインだけが産地名(アペラシオン)を名乗ることができる。

ワイン用語 アプフュルング

アプフュルング(Abfuller)とは、ドイツ語でワインの瓶詰めを意味する言葉だ。

貯蔵のためにワインをある容器に詰めることをドイツ語で「アップフュレン(ABFULLEN)」と言い、ワインをブレンドして瓶詰めした瓶詰め業者のことを「アプヒュラー(Abufuller)」という。

ドイツ語では、フランス語におけるシャトーが「シュロス」と表記され、醸造元の元詰めワインのことを「シュロスアプフュルング」と呼んでいる。

また、「エアツォイガーアップフュルング(Erzeugerabfullung)」は「生産者元詰め」を意味しており、特性生産者のぶどうのみから、自己所有している醸造所で瓶詰め(アプフュルング)を行ったときのみに表示が許されている。

ワイン用語 アニャダ

アニャダ(Añada)とは、単一収穫年のぶどうからつくられたシェリー。

シェリーは、スペイン南部のアンダルシア州カディス県に位置するヘレス市とその周辺でつくられているフォーティファイドワイン。世界3大フォーティファイドワインの1つ。

通常、シェリーは、古いワインと新しいワインをブレンドしながら熟成させていくソレラシステムでつくられているため、ヴィンテージ(ぶどう収穫年)が混ざったワインになる。しかし、単一収穫年のワインでつくられるシェリーもあり、それをアニャダと呼ぶ。

ソレラシステムでは、瓶詰めを1番古い樽から行う。その際、1つの樽につき3分の2程度ワインを残す。減った分(3分の1)を2番目に古い樽から補い、またその2番目に古い樽には3番目に古い樽のワインを補うというように、樽から樽へ、ヴァンテージの異なるワインをブレンドしていく。

ワイン用語 アッサンブラージュ

アッサンブラージュ(assemblage)とは、2種類以上のぶどう品種をブレンドして、1つのワインをつくること。

味の異なるワインをブレンドすることで、複雑な味わいが生まれ、風味が豊かになる。

ブレンドが行われるタイミングは、ワイナリーにより異なる。樽熟成の前にブレンドを行うワイナリーもあれば、樽熟成開始から4ヶ月後にブレンドを行うワイナリー、樽熟成が終わってからブレンドするワイナリーもある。

つまり、アッサンブラージュは、ワインを瓶詰めする前に行われる製造工程の1つと言える。

アッサンブラージュは、主にボルドー地方で行われていて、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、カベルネ・フラン、プチ・ヴェルドといった品種が多く使用されている。

ワイン用語 アタック

アタックとは、ワインを口にしたときの第一印象を指す。

ワインは余韻が長く残る酒のため、味わいを段階的に分けて表現する必要がある。アタックは、ワインのイメージを形成するために最も重要な要素と言われている。

アタックは一般的に、「強い」「弱い」という言葉を用いて表現されることが多い。「軽い」「やや軽い」「やや強い」「強い」「インパクトのある」など、おおよそ5段階程度に分けて第一印象が語られることになる。

また、ワインの香りの特性を表現する上でも、「アタック」という言葉が使われることもある。スワールをしてワインをグラス内の空気に触れさせた後、グラスを近づけたときに嗅覚で感じた総体的な印象のことも「アタック」と呼び、こちらも強弱を使った表現が用いられる。

ワイン用語 アイスワイン

アイスワイン(Ice-wine)とは、マイナス7度以下で氷結したぶどうを使ってつくられるワイン。

ぶどう果汁を絞る際、凍っているため水分が少なく、ぶどうのエキスや糖分の高い果汁を絞ることができる。そのために、甘味の強いワインとなり、デザートワインとして楽しまれている。

アイスワインは、1794年に予想外の霜に見舞われたドイツのワイナリーが、収穫せず凍ってしまったぶどうを惜しみ、試しにワインをつくったのが始まり。
現在、アイスワインはドイツとカナダで主に生産されているが、アメリカやオーストラリアなどの地域でも、少量ながら生産されている。

EUのワイン法では、アイスワインに使用するぶどうは、気温がマイナス7度を下回っているときに収穫することが定められている。こうした厳しい気象条件など、生産性の低さからアイスワインは、高級ワインとされている。