ワイン用語 AOVDQS

AOVDQSとは、Appellation d’Origine Vin Delimite de Qualite Superieure(アペラシオン・ドリジン・ヴァン・デミリテ・ド・カリテ・スペリュール)の略称。2008年までのフランスのワイン法で、原産地名称上質指定ワインを意味した。

2009年にフランスのワイン法が改定されたことで、VQPRDの中にAOCと共に含まれていたAOVDQSは、Vin de Payと統合され、IGP呼称に変更した。

また、2011年まですべての産地がAOCに昇格したことから、AOCの1ランク下のカテゴリーであったVDQSワイン規格が、2011年12月31日をもって廃止されている。

ワイン用語 A.O.C.(Appellation d’Origine Contrôlée、原産地統制名称)

ある特定の地区または地域で造られたワインで、厳しい生産条件を遵守し、官能検査と分析検査の結果、公式の認可を得たもの。A.O.C.は、典型的なスタイルをもつ高品質のワインであることを消費者に保証します。A.O.Cボルドーは地域名アペラシオンで、INAO(国立原産地品質研究所)が厳格に規定した生産地域で造られます。

A.P.Nr.

A.P.Nr.とは、ドイツワインにおける原産地呼称ワインにおいて表示が義務づけられている公的検査番号のこと。読み方は、アーペーヌマーとなる。

A.P.Nr.は、ドイツワインにおける上級ワイン(クーベーアー)以上の上級ワインや高級ワインに表示される。摘果時の熟度検査が行われる第1段階、化学分析検査による第2段階、官能検査(テイスティング)による第3段階と、すべての厳しい検査に合格したワインだけにA.P.Nr.表示が許される。

公的検査機関の登録番号、生産者の所在地の登録番号、生産者の登録番号、生産者が申告した年のワインの通し番号、検査された年号の計5つの表示されており、A.P.Nr.によって、いつでもそのワインの原産地までを確認できるようになっている。

5大シャトー

5大シャトーとは、ボルドー・メドック地区の格付けで第一級の称号を与えられた5つのシャトーのこと。

1855年のパリ万博博覧会において、フランスのボルドー・メドック地区の格付けが行われた際、「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・マルゴー」「シャトー・ラトゥール」「シャトー・オー・ブリオン」が第一級の称号を与えられ、4大シャトーと呼ばれたのがはじまりだ。

その後の1973年、「シャトー・ムートン・ロートシルト」が第二級から一級に昇格。これによって「5大シャトー」と呼ばれるようになった。

ワイン発祥の地、ジョージア「クレオパトラの涙」

フランスやイタリア、スペインなどヨーロッパの人々がこよなく愛するワインですが、実はワインのルーツはヨーロッパではありません。詳細は明らかになっていませんが、8000年以上も前に現在のジョージア(グルジア)が位置しているコーカサス山脈周辺のエリアでワインが飲まれていたとされています。ワインの醸造に関する遺跡も残されており、古くからこの地でワインが親しまれていた証となっています。世界三大美女のひとり・クレオパトラもジョージアのワインを愛していたといわれ、メソポタミアを経由してはるかエジプトの地にまで広まったグルジアワインは、別名「クレオパトラの涙」と呼ばれています。なお、ジョージアの名称ですが、2015年4月に日本での呼び名をグルジアからジョージアに変更しています。
グルジアワインはその製法にも特徴があり、クヴェヴリ(Qvevri)と呼ばれる丸く大きな壺にワインを入れ、地中に埋めることで安定した温度で発酵を行います。この製法は世界遺産にも登録されており、タンニンを含み果実の甘みを残した身体に優しいワインが生まれるのです。古の製法を守り、果実の甘みをいっぱいに含んだ歴史あるグルジアワイン。

酸化したワインの特徴

ワインは、熱が入ることで酸が破壊され、それにより一時的に飲みやすくなります。
酸化による劣化は、ワインのタイプにより影響はさまざまですが、本来のもつポテンシャルは発揮できなくなってしまいます。
細かい要素が壊れ、安いワインは単調な姿になり、高価なワインは大まかな要素だけが残ります。
例えば、ある日作って美味しかった煮物が、数日たつと味がぼやけたり冷蔵庫の臭いがついたりした感じです。

しかし、酸が壊れてぎすぎすした感じのワインや、腐敗臭・農家臭さがあるワインもありますが、もともと酸味のあるワインの場合もあるので、プロでも判断が難しい場合がほとんどだそうです。
酸化によって飲めないほどまずくなるという場合は少なく、よほど重度の熱劣化でない限り、そのワインの印象は味わいや香りを平凡に感じるのです。
ということは、それが本来のワインのポテンシャルを発揮した上での平凡なワインなのか、熱劣化して平凡になってしまったのかという選別が難しいのが現状です。

ブショネの見分け方

ブショネのワインとはどんな臭いがするのでしょうか。
ワインの教本などでは「カビ臭い」と書かれています。
「コルクが腐った臭い」とか「雑巾を陰干しした感じ」ともいわれますが、とにかく何ともいえない嫌な臭いがします。

そして、ブショネのワインと一口にいっても、その度合いには差があり「ほんの少しコルクっぽい臭いが気になる」程度から「こりゃ駄目だ」の段階までさまざまです。

普段からワインを飲み慣れている方なら、そのワインやコルクを嗅いだだけですぐにわかると思いますが、飲みなれていない方はブショネに気が付かず、そのまま飲んでしまうことがほとんどだそうです。
その見分け方を判断するコツをお伝えします。

①「もしかしてブショネかな?」と思ってもはっきり分からない場合は、まずグラスに注がれたワインを2分ほどそのままにしておいて下さい。
②そして、何度かグラスをまわしワインに空気を含ませます。
③その後さらに1~2分待ち、再度ワインの香りを確認して下さい。
ブショネのワインであれば、5分前よりもさらに臭いが悪化しています。
汚染されたワインは、空気に触れて時間が経てば経つほど悪臭が強くなるのです。

逆に、開栓直後に気になっていたコルクの臭いがきれいに飛び、5~10分後には全く問題なく健康な香りを発すると、そのワインは優良であったということです。
そのどちらともいえない場合は、軽度のブショネ、またはブショネでなくともワインに何らかの劣化が生じている可能性が考えられます。

酸化

『酸化』とは、ワインから果実味などの新鮮な風味が失われた状態のことをいいます。

コルクの緩みなどで隙間からボトル内に酸素が入り込んだり、ワインの保管状態における問題が主です。
30度以上の高温では、ワイン中の物質が化学変化を起こしやすくなり、瓶中で酸化が進みます。
ワイナリーから出荷されたワインが輸送中や保存中に頻繁な温度変化を受けたり、継続的に高温になった場合に起こります。

ワインブームが始まった1980年代~90年代のワイン管理は、現在と比べるとだいぶずさんだったようです。

ブショネ(コルクによる劣化)

ショネとはコルク臭、ブション(コルク)に起因する品質劣化です。

コルクは自然からできたものなので、そこには目に見えない菌が存在しており、その中に悪性の菌が存在していた場合、ボトル内である種の化学変化が起こりワインの質を変えてしまうといわれています。
フランスワインの全生産量の5~8%、また全世界のワイン生産量の3~7%がブショネであるといわれています。

しかしワインをよく知る人によれば、ブショネの程度も「明らかにブショネ臭がする重度」のものから、「かすかに香る程度の微妙なもの」まであるので、全部を含めると皆さんの予想を大幅に上回る数になるといいます。
これは理想的な環境でワインを保存していても発生してしまうものなので、ある意味で不可抗力といえます。

現在では、チリやカリフォルニアやオーストラリアなど新世界を中心にプラスチック製コルク、スクリュー・キャップ、王冠キャップなどを使用するワイナリーが増えており、それにともないブショネの問題は減少しつつあります。

ワイン劣化の原因

ワインは『変化』を嫌う飲み物。
その保存環境により劣化してしまうという特質をもっています。
ワインの種類により、劣化のしにくいものやしやすいものの違いはありますが、過酷な環境では傷んでしまう『ナマモノ』なのです。
ワインが劣化してしまう要因の代表的なものは次の5つです。

・ブショネ(コルクによる劣化)
・高温(または低温)
・乾燥
・長期間に渡る恒常的な振動
・光

いずれもがワインの劣化につながりますが、精密機器などではないので、突然壊れるということはありません。
徐々に劣化・変質していきます。