「魚には白ワイン」「肉には赤ワイン」?

「魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワインが合う」というセオリーです。

「ワイン」にさほど詳しくない人でも、これをフランス料理の常識として覚えているのではないでしょうか?

しかし、じつは料理によってはその限りではありません。

というのも、同じ魚・肉料理でも使われるソースや香辛料によって、味の印象はガラリと変わるからです。

たとえば、赤ワイン風味のソースが添えられた魚料理、白コショウだけでシンプルに焼かれたステーキ。

これらはセオリー通りの「ワイン」では、あまり相性がよくありません。

おすすめの「ワイン」の選び方は?

セオリーとして覚えるなら、軽い口当たりの料理には「白ワイン」、重くしっかりした味の料理には「赤ワイン」とするほうがいいです。

もしくは、白身の魚なら「白ワイン」、赤身の魚なら「赤ワイン」というように、性質の同じものを選ぶようにするといいでしょう。

どちらか判断がつかないようならば、中間の「ロゼ」を選ぶという手もあります。

フランス料理には「マリアージュ」という言葉があって、これはまさに料理と「ワイン」における相性のことを指しています。

「マリアージュ」とは、フランス語で「結婚」という意味を持つ言葉で、つまり一緒に食べれば相乗効果でどちらも美味しさが引き立つという、フランス人ならではのこだわりが生んだ料理用語なのです。

 

「生ハム」と「プロシュート」の違い

燻製したものが「生ハム」

生ハムは肉を長い時間かけて塩漬けし、乾燥、醗酵、燻製をしたもののことを指します。世界的にも燻製するものが大多数で加熱するものは少ないんです。ちなみに、日本で流通している生ハムの多くはドイツ系です。これらのもので加熱して加工する商品は基本的にはありません。

生ハムの誕生は紀元前3500年

紀元前7000年ごろには、すでに豚は家畜として飼われていました。狩猟から農耕文化に移行し、人々は家畜を多く飼うようになり、保存食として編み出されたのが「生ハム」なんですね。紀元前3500年ごろには現在のイラク周辺やエジプトで食べられていたといいます。さらに、中国にはもっと前からあったとも言われています。日本での歴史は浅く、幕末にオランダから長崎に伝来したものの、作り方が伝わったのは1917年以降。一般に普及したのは、第二次世界大戦後(1945年~)と言われています。

燻製しない生ハムが「プロシュート」

日本では、燻製してないイタリア産生ハムを、プロシュートと呼ぶのが一般的です。イタリアでは、加熱しないもの(生ハム)は「プロシュット・クルード(Prosciutto crudo)」、加熱処理したものは「プロシュット・コット(prosciutto cotto)」と呼んでいるんだとか。種類の異なるハムの盛り合わせを「プロシュット・ミスト(prosciutto misto)」と言います。イタリアでは前菜として食べられることが多いそう。

 

ワイン用語 開花したワイン

開花したワインとは、飲みごろのワインを指して使われる表現のひとつ。

飲みごろを迎えていない若いワインのことを、対照的に「ワインが閉じている」と表現する。ワインを開かせるために、デキャンタージュなどが行われ、ワインを空気に触れさせることにより、本来の香りや味わいを徐々に開かせていくわけだ。

ワインの味わいの表現には、しばしば「花」が用いられる。香りや味わいの熟成度も、このように表現される。

「開花したワイン」と表現するのは、長期熟成型のワインが主になる。早飲みワインなどで使われることは少ない。

ワイン用語 閉じたワイン

閉じたワインとは、飲みごろを迎えるよりも前の時期にあり、本来持っているポンテンシャルを発揮できていない状態のワインを指す。

「閉じたワイン」という表現は、フランスのボルドー地方やブルゴーニュ地方などで造られる長期熟成型ワインが、本来の力を出しきれていない場合によく使われる。

一般的に閉じたワインは、酸味がきつく、香りが貧弱、渋みが突出しているなど飲みにくい状態のワインを指している。そのために、酸味や渋みをまろやかにし、本来持つ複雑な香りを出すための、ワインを開かせる作業が必要となってくる。デキャンタージュなどによって、そうしたワインを空気に触れさせることで、閉じたワインの本来の実力を引き出すわけだが、そうした行為を「ワインを開く」と言う。

ワイン用語 醸造酒

醸造酒とは、米や麦、ぶどうなどの原料を、酵母によりアルコール発酵させてつくった酒のこと。蒸留酒や混成酒、発泡性酒類といった酒類分類の中のひとつ。

醸造酒の代表的な酒類は、ワインや日本酒、ビールなど。それぞれに醸造方法が分かれているのが特徴だ。

ワインは単発発酵と呼ばれる果実などの糖分を酵母が発酵させる方式が用いられる。日本酒は、糖化と発酵を同じ容器の中で同時進行する並行復発酵方式。ビールはデンプン質を糖化し、その糖を酵母が発酵する単行複発酵方式でつくられる。

ワインなどの果実酒の場合は、原料そのものに糖分と水分が含まれているために、酵母を加えるだけで発酵させることができる単発酵となる。日本酒やビールの場合は、原料には糖分や水分が含まれいないため、単行複発酵や並行複発酵が行われる。

ワイン用語 酸化防止剤(亜硫酸塩)

酸化防止剤(亜硫酸塩)とは、ワインの酸化を防止するための添加物。

亜硫酸塩をワインに添加する目的は主に、酸化防止と微生物や有害菌の繁殖抑制の2つ。ワインに酸化防止剤を添加しないと、茶褐色に変色してゆき、ツンとした臭いがするようになる。酸化防止剤を添加していないワインも極少ながらあるが、醸造時の徹底した衛生管理、流通や保管時の温度管理など細心の注意が必要となる。

スーパーなどで「酸化防止剤無添加」のワインを目にすることがあるが、これは、酸化防止剤を使用しない代わりに、ワインを加熱殺菌したり、ワインから細菌を除去するために強力なフィルターにかけたりしている。こうした処理を行うことにより、ワイン本来の風味が失われてしまうこともあるという。

また、亜硫酸は、ワインの発酵過程でも微量に発生するため、添加しなくてもワインは亜流酸を少なからず含有していることになる。

ワイン用語 酸

酸とは、ワインの醸造や出来上がりに対して重要な要素を持つ各種の酸のこと。酸は原料のぶどうや産物のワインにも含まれ、色や味、発酵中の酵母の生育や細菌からの保護などにも重要な役割を果たしている。

大部分のワインのphは、2.9~3.6の間になる。ワイン用のぶどうに含まれる3つの主要酸は、ぶどう由来のものが酒石酸・リンゴ酸・クエン酸、ワイン醸造においては、コハク酸・乳酸・酢酸・酪酸となっている。醸造の過程においては、アスコルビン酸、ソルビン酸、亜硫酸が用いられる場合もある。

ワインにおける最も重要な酸は酒石酸と言われている。化学的安定や色、味に強い影響を与えるとされている。この有機酸はぶどう属にかなりの濃度で含まれている。

ワイン用語 酒石酸

酒石酸とは、ぶどうなどの酸味のある果実に含まれる有機化合物のこと。酒石酸がワインのミネラル分と結合することにより、結晶が生まれる。これを酒石酸カリウム(酒石)と呼んでいる。

時折、ワインの中やコルクの裏にガラスの結晶のようなものが付いているが、これが酒石である。

酒石酸カリウムは、ワインの保存状態が完璧に施されていることで発生する。元来ワイン自体が持っている成分なので人体に影響は与えない。

一般的に瓶詰め前に冷却して酒石酸を取り除く作業が行われるが、ワインの風味や酸度を落とすことにより、ワインの持つ本来の味わいが損なわれることがある。

そのため、酒石酸を取り除かない生産者も多い。酒石酸カリウムは、美しい輝きを放つことからも「ワインの宝石」と呼ばれている。

ワイン用語 辛口ワイン

辛口ワインとは、甘みが少ないワインのこと。
基本的に、白ワインについて使われる言葉(赤ワインはそのほとんどが辛口のため)。
本当に辛いのではなく、甘くないものを辛口と表現している。

ワインは、ぶどうの果汁に含まれる糖分を、発酵によってアルコールに変化させることによってつくられる。
発酵が進み糖分がほとんどアルコールに変わると辛口になり、反対に充分に発酵せず糖分が多く残っていると甘口になる。

EUでは、ワイン内の糖分が4グラム以下のものを辛口と定めている。

ただし、甘辛度は個人の感覚による部分も大きく、糖度の高いワインであっても酸味が強いと辛いと感じる場合もある。

一般に販売されているワインの甘辛度は、メーカーやワイン業者が独自に判断して表示しているもので、統一されたルールは存在していない。

糖分が少ない分、辛口ワインの方が甘口ワインよりアルコール度数が高い傾向にある。しかしながら、ぶどうの品種や栽培地域、収穫時期などさまざまな要因によって生み出される、アルコール度数が低い辛口ワインもある。

ワイン用語 軽いワイン

軽いワインとは、色が薄く、重みもないが、バランスがよく飲みやすいワインを指すときに用いられます。
若いうちから楽しめるのが特徴で、ボージョレー・ヌーボーが代表例です。

一般的には濃厚で深みのあるワインが好まれる傾向にありますが、軽いワインは気軽に楽しみたいシーンや疲れている時にサラリと飲めるために、シーンによっては活躍します。
決して、品質の良し悪しを示す表現ではありません。